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平成15年第4回定例会−11月26日-18号

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  1. 杉並区議会 2003-11-26
    平成15年第4回定例会−11月26日-18号


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    平成15年第4回定例会−11月26日-18号平成15年第4回定例会 平成十五年第四回定例会杉並区議会会議録(第十八号) 平成十五年十一月二十六日 午前十時開議 出席議員四十七名  一番  新  城  せ つ こ  二番  け し ば  誠  一  三番  堀  部  や す し  四番  田  中  朝  子  五番  奥  山  た え こ  六番  小  野  清  人  七番  とかしき  な お み  八番  関     昌  央  九番  原  田  あ き ら 一〇番  岩  田  い く ま 一一番  山  田  な お こ 一二番  小  松  久  子
    一三番  河  津  利 恵 子 一四番  渡  辺  富 士 雄 一五番  島  田  敏  光 一六番  吉  田     武 一七番  藤  本  な お や(欠席) 一八番  は な し  俊  郎 一九番  くすやま  美  紀 二〇番  小  倉  順  子 二一番  小  川  宗 次 郎 二二番  田  代  さ と し 二三番  松  浦  芳  子 二四番  佐 々 木     浩 二五番  横  山  え  み 二六番  藤  原  一  男 二七番  青  木  さ ち え 二八番  井  口  か づ 子 二九番  富  本     卓 三〇番  本  橋  文  将 三一番  梅  田  ひ さ え 三二番  大  泉  時  男 三三番  原  口  昭  人 三四番  鈴  木  信  男 三五番  山  崎  一  彦 三六番  押  村  て い 子 三七番  門  脇  文  良 三八番  木  梨  もりよし 三九番  太  田  哲  二 四〇番  渡  辺  重  明 四一番  西  村  文  孝 四二番  宮  原  良  人 四三番  伊  田  としゆき 四四番  河  野  庄 次 郎 四五番  斉  藤  常  男 四六番  小  泉  や す お 四七番  曽  山     繁 四八番  今  井     讓 出席説明員  区長           山 田   宏  助役           小 林 義 明  収入役          滝 田 政 之  政策経営部長政策経営部企画課長事務取扱               松 沼 信 夫  行政管理担当部長     南 方 昭 彦  区長室長         高   和 弘  危機管理室長       中 公 敏 行  区民生活部長       四 居   誠  地域経済振興担当部長   根 本 信 司  保健福祉部長       小 林 英 雄  高齢者担当部長      大 澤   渉  児童担当部長       山 本 宗 之  杉並保健所長       大 倉 慶 子  都市整備部長       菱 山 栄 二  土木担当部長       原 島 昭 治  建築担当部長       鳥 山 千 尋  環境清掃部長       栗 田 和 雄  区長室総務課長      村 上   茂  教育委員会委員長     丸 田 頼 一  教育長          納 冨 善 朗  教育委員会事務局次長   佐 藤 博 継  中央図書館長       倉 田 征 壽  選挙管理委員会委員長   和 田   功  代表監査委員       寺 坂 征 治  監査委員事務局長     金 子   正 平成十五年第四回 杉並区議会定例会議事日程第二号                平成十五年十一月二十六日                      午前十時開議 第一 一般質問 ○副議長(宮原良人議員) 議長の職務を代行いたします。  これより本日の会議を開きます。  出席議員の数は定足数に達しております。  会議録署名議員は、前回の会議と同様であります。  これより日程に入ります。  日程第一、区政一般についての質問に入ります。  二十九番富本卓議員。      〔二十九番(富本卓議員)登壇〕 ◆二十九番(富本卓議員) おはようございます。私は、杉並自民議員連盟の一員として、一、これからの高齢者行政について、一、安心・安全のまちづくりについて、一、教育改革について質問をさせていただきます。  さて、それらの質問に入る前に、先般、政権選択選挙マニフェスト選挙、我が党の言い方をすれば政権公約選挙と言われた第四十三回衆議院総選挙が行われました。この選挙の結果について、区長としてはどのような感想をお持ちでしょうか、率直なご意見をいただければと思います。  また、マニフェスト選挙と言われた中で、地方分権の議論、具体的に申すなら、補助金の削減などの論議がありましたけれども、このあたりの議論についても、あわせてご見解をいただければと思います。  また、今回も事前の世論調査の結果とは違い、全国投票率が五九・八六%──これは小選挙区分ですが──と、戦後ワースト二位に終わりました。今回の選挙の投票率に対して、選挙管理委員会としてはどのようなご見解をお持ちか、お尋ねをいたします。  それでは、これからの高齢者行政について伺います。  話をわかりやすくするために、私の家族を例に出して、まずは話を進めます。  私、富本卓は現在三十六歳であります。大阪には六十三歳になる父親と、既に嫁に行った三十一歳の妹がおります。六十三歳の父は、老眼鏡をかけるなど若干の衰えは見えますが、基本的には健康体で、自身がもうすぐ高齢者であり、いきいきクラブの入会有資格者であるような意識はみじんもありませんし、老後の心配をしているような様子は全くありません。先般、この夏も父に会ったときに、老後の話を振ってみましたが、「おまえは何を言っとるんや、わしはまだまだ現役ばりばりや」と一喝をされました。確かに老いを感じたくなく、老後という何となく後ろ向きの話をしたくないという父の気持ちもわからないでもありませんが、面倒を見る子どもとしては、そうも言っていられない現実もあります。  そこで、なおも話を進めると、「もし何かあったら老人ホームへでも入れてくれればええんや」と、こんなことを言うわけでありますけれども、なぜこのように恥を忍んで我が家の話をさせていただいたかと申しますと、この会話の中に、日本の置かれているさまざまな高齢者行政についての問題点、ポイントが隠されているからと思ったわけであります。また、このような話をさまざまな世代、境遇の人に、私もこの後してまいりましたけれども、多くの人々が同じような感じでございました。  そして、まず第一の問題点は、元気な高齢者、そしてまたその予備軍、そしてその家族に、老後の暮らしや介護についての情報量、知識量が圧倒的に不足をしているという点であります。父なども、元気な間は家で暮らし、介護が必要となれば娘にでも見てもらって、それがつらくなったら老人ホームへ入れてもいいよと、でも、なるべく迷惑をかけたくないし、死ぬならさっさとぽっくりとと、そんなふうにある種短絡的に考えていると思います。私は、多くの人がその程度の認識であると思います。  例えばどのような介護施設があるのか。さきの父の発言の老人ホームといっても、何となく一昔前の老人ホームのイメージがあり、養護老人ホームから特養、ケアハウス、グループホーム、リタイアメントハウスなどなど、官民そろってさまざまな形態やサービスが存在するという知識なんかはございません。これは、介護サービスのさまざまなメニューについても同様であると思います。  また、面倒を見る世代についても同様です。倒れてから、また痴呆が始まってから慌てて対処するというのが、現状の多くではないでしょうか。  そこで伺います。杉並区として、元気な高齢者等が、高齢者福祉政策に対しどの程度の知識量、情報量を持っていると認識をされていますか。また、過去に、そのような観点からアンケート調査などを実施した実績はあるのか、伺います。  このような潜在的な需要をしっかりと把握するということは、私は、今後の施設建設のあり方にも重要なファクターになると考えます。今までは、急激な高齢社会の到来により、とりあえず国の補助金などの政策誘導を利用しながら、また施設のはやりすたりなどを見ながら、ある種、地域的にも、それぞれの施設の特性的にも、総合かつ俯瞰的な視点もなく、区は建設した感が若干あるのではないかと私は思いますけれども、この指摘についての区の見解をお尋ねいたします。  特に今後は、この経済状況と一層急速な高齢社会の進展をかんがみると、効率的な施設の建設が望まれると思いますが、区は、その点ではどのような対策をおとりになるお考えか、お伺いをいたします。  また、関連して伺いますけれども、みどりの里も、入居時は健康老人であっても、十年も経過すれば、やはり介護が必要な人も出てくるはずであります。このみどりの里の入居者の要介護の実態把握はどのようになっているのか、また、要介護の人が出現した場合、どのような対応策を行っているのかお答えください。  私は、このような点から見ても、例えばアクティブシニアみどりの里と要介護みどりの里に分けるなど、みどりの里もそれぞれ特色をつけてやるような形に再編成、再構築を行う必要があると思いますけれども、区はどのようにお考えでございますか。  次に、知識量、情報量の不足については、金銭面についても言えると思います。果たして老後に幾らあれば生活していけるのか、金額によってそれぞれどんなメニューが存在するのか、また逆に、年金は幾らもらえるのかなどなど、全く不透明なのが現状ではないでしょうか。この不透明さが漠然とした不安感を生み、高齢者やその予備軍がお金を使わず、貯蓄に励んでいる現状があります。逆に言うならば、この不安感を払拭すればお金を使うようになり、この景気の低迷に対しても大きな刺激剤になると思います。この点からも、杉並区は積極的に情報の提供に努めるべきと考えますけれども、区の所見を伺います。  また、ここで、積極的な情報提供の案として、私なりの提案をしてみたいと思います。
     一つ目は、区のホームページ上に、簡単な質問に答えて、例えば、一、資産や収入がどれくらいあるとか、二、杉並に住み続けたいかどうかとか、三、単身者かどうか、四、家族の介護に対する体制はどうかとか、五、身体の状況はどうかなどなど、これらをある程度入力すればモデルケースのようなものが示される、そういうものはいかがでしょうか。  また、二つ目としては、よく女性向けの雑誌などにある、イエス、ノーを選択して矢印を進み、最終的にある程度の分類分けをされるイエス・ノーチャートのようなものを作成、提示するというのはいかがでしょうか。  結局、現在の老後の不安は、モデルケースモデルプランが全く見えないことにあるわけです。確かに一人一人ケースは違うにしても、ある程度老いの進みぐあいやライフスタイル、また収入ごとに何段階かのモデルを示す、施設の違いを示す必要があります。そしてそれは、私は行政の大切な責務であると考えますけれども、区の見解をお尋ねいたします。  これからは自立の時代と言われております。区長もその精神を説いておられます。しかし、自立をするためには、しっかりとした情報がなければ自立できません。そしてこのような情報を求めるには、真っ先に区民、住民が駆け込む先は、やはり一番身近で信頼感のある基礎的自治体であると思います。この点をしっかりと認識した積極的な答弁を期待いたします。  次の問題点として、日本社会の中に、老後の問題をしっかりと世代間で話し合う土壌がない点を挙げたいと思います。一昔前までは、長男の嫁さんが黙ってやり繰りをしながら面倒を見るみたいな感じでしたが、この社会環境、風土の急激な変化や欧米化によって、ある種この日本独自の土壌は崩壊した感があります。しかし、そこから新しい土壌は生まれていません。人々の意識の変革が新しい社会スタイル生活スタイルについていけてないようであります。例えば親の年金は幾らもらえるのか、親の貯金は幾らあるのか、また、どんな老後を過ごしたいのか、そのような話を親子間でするのも、まだまだタブーの感がいたします。しかし、私は、それらを乗り越えて、面倒をかける世代も面倒を見る世代も、安心して納得できる素地をしっかりとつくっていくことが、今こそ肝要であると考えます。その点について区はどのようにお考えでございましょうか。  また、それをつくるのには、国が制度を上から無機質的に押しつけるような形でなく、一番身近な基礎的自治体がボトムアップ的な観点で行うべきと考えます。ぜひ自治体ナンバーワンを目指す杉並区からこのような議論を巻き起こすべきと考えますが、いかがでございましょうか。  また、この総選挙でも一番の関心事でございました年金問題でも、このような世代間の率直な議論、国民的な議論が必要であると私は思います。現在の年金改革の議論は、幾らもらえるのか、幾ら払うのか、負担額と受益額の差額はどうか、はたまた、足りない財源をだれにどうやって負担をさせるかなど、非常に矮小化された瑣末な議論に終始をしております。年金を考える上で最も重要な、制度の信頼性や世代間の信頼を置き忘れております。ぜひ、この点からも、福祉の最前線にいる区としてしっかりと発信していくべきと考えますが、区のご見解をお尋ねいたします。  この項の最後に、これらを積極的に進めるためにも、区の高齢者行政の姿勢の転換をぜひに望みます。  それは、国が需要把握をし立案した、全国一律の福祉政策の上で、区民から相談があれば対処する待ちのスタイル、言いかえるならば対症療法的な高齢者行政から脱却をして、地方分権の担い手として、自治体としての独自の福祉政策を区民にしっかりと提示した上で、積極的に区民の中に飛び込み、情報提供も進め、区民とともに歩み、考える、予防療法的な高齢者行政に転換を図る必要があると考えますが、区の見解を伺います。安心した老後を確約しなければ、区長の提案されている、団塊の世代などを中心とした人たちの地域社会への回帰などはないと思いますので、ぜひとも区の積極的な政策展開を要望いたします。  次に、安心・安全のまちづくりについて伺います。  以前、日本は、水と安全はただと言われるほどの安全大国でありましたが、今やその面影は全くなく、この安全の回復は、国、地方を問わず、最大の政治課題となっております。区長も新生議会の所信表明の中で、最重要点課題として積極的な取り組みを行う姿勢を示されております。  さて、一概に安心・安全のまちづくりといってもさまざまな側面がありますので、ここでは、私なりに三つの視点に分けて質問をいたします。  第一の視点は、治安対策としてであります。  この点に関して区は、安全パトロール隊の発足や、ブロークン・ウインドーズ理論を参考にしながら、路上禁煙地区の指定などを行いました。  そこで伺います。八月に安全パトロール隊が発足したわけですが、その現状での成果は、区はどのようにとらえているのか、まずはお伺いをいたします。できれば具体的な数値なども挙げてお示しください。  また、このパトロール隊に対しての区民の声はどのようなものがあるでしょうか。  私は、これからは、区民の安全に対する自己責任意識の高揚のためにも、もっとパトロール隊と区民の協力体制を築く必要性があると思いますが、そのあたりの区のご所見についてもお伺いをいたします。  第二の視点は、情報面、IT面での対応についてです。  これについては、住民基本台帳ネットワークシステムの非通知申し出の受付開始や、防犯カメラの設置基準についてなどの施策が挙げられます。これらはマスコミで取り上げられる回数も多いこともあり、区は非常に力を入れているように見受けられます。  さて、住基ネットの非通知申し出は、区は、横浜市の例を参考に、区民の二〇%から二五%の申し出があると予想されていたようでありますけれども、少し前の新聞の記載によると、たしか五%程度の申し込みであるというような状況でありましたが、最新のデータとして現状はどのようになっているのでしょうか。また、ある種この低い数字に対しての区の見解はいかがなものか、伺います。  また、この数値は、現在都や国との協議が難航し、デッドロックに乗り上げた感もあるこの問題において、区の今後の政策決定に大きな意味合いを持つものと考えますけれども、この点の指摘についてどのようにお考えか、お尋ねをいたします。  次に、第三の視点として、まちづくりの観点から伺います。  区長は、所信表明の中で、高齢者や障害者に優しいユニバーサルデザインの視点から、駅周辺の歩道の段差解消や電線の地中化などによって総合的なまちづくりを推進するとされております。電線の地中化の目的は、狭あい道路を少しでも広く使いたいということが主眼でありますので、電柱の地中化として数点伺ってまいります。  電柱の地中化については、相当前より区民から要望が高かった問題であります。しかしながら、現実にそれは実行されておりません、ほとんど。  そこで、素朴な疑問として伺います。これまでなぜ実現ができなかったのでしょうか。また、今回区が積極的な姿勢を示したことにより、今まで不可能であったことが覆り、可能と簡単になるのでしょうか。  また、現在、区内には電柱は何本設置をされているのでしょうか。  また、区としても、この施策の初期的段階として、どの程度の本数を地中化を行う腹づもりなのかをお尋ねいたします。  また、今まで推進できなかった理由の一つとして、費用面のこともあると思いますが、区が考えている初期段階の地中化を行った場合、どの程度の費用が必要とされているのか。国や都の補助金の問題や、東京電力などとの関係なども含めて、詳しくご答弁をいただければと思います。  次に、まちづくりの中で、交通問題について伺います。  所信表明の中では、主に放置自転車の半減を目指すことを旗印に、自転車問題中心の解決策が提示をされておりましたが、私は、この区の考え方には大いに不満を抱いております。確かに放置自転車は論外でございますが、自転車よりも危険なのは自動車であります。特に昨今は、高齢者の交通事故被害も急増しており、統計的に見ても、全国で五年前より倍増しております。また、自転車は環境面や法律面で見ても歩行者に近い存在であります。そういう点から見ても、私は、私がかねてより主張しております、区内民間路線バスの小型化の推進を図ることこそが必要と考えますが、区のご所見を伺います。  特に小型バスの効用については、区長も所信表明の中で、すぎ丸の大好評に触れながら、まちの元気のもとであると自ら言われております。以前の私の一般質問では大変つれなく、後ろ向きな答弁であったと記憶しておりますが、安心・安全のまちづくりを推進するために、私は絶対に必要不可欠な施策であると思います。以前の答弁を撤回するような前向きな答弁をぜひとも期待をいたします。  また、すぎ丸の新規路線についても伺います。区民要望の高い、区西部地域のすぎ丸の計画は、現状ではどのような状況になっているのか、あわせてお尋ねをいたします。  さて、安心・安全のまちづくりについてお尋ねをしてまいりましたが、ここで、総括的な問題を二点伺います。  まず、私が感じるのに、区の施策の優先順位と区民が望む安全・安心施策の優先順位に、少々ずれがあるのではないかという点であります。例えば情報の安全よりも、やはり最も根本的な安全、命の安全の問題にもっと力を入れるべきでないでしょうか。そしてこのことこそが自治体行政の責務の根幹でないでしょうか。私のこの指摘に対しての区の見解を伺います。  二点目は、安全・安心の回復は、さきにも述べたとおり、大変多岐にわたっておりまして、全庁横断的な色彩があります。そのパイプ役としての役割もありまして、七月に鳴り物入りで危機管理室が設置をされましたけれども、現状は余り危機管理室の存在感を感じないように見受けられますが、いかがでございましょうか、お答えください。  また、緊急災害時などにおける危機管理室と所管部署との役割分担も、いまひとつ不鮮明に思えますけれども、この点はどのようになっているのでしょうか。改めて危機管理室の設置の意図、役割を含めお伺いをし、次の項の質問に移りたいと思います。  さて、教育も、山田区政になり改革のメスが大きく入った分野であります。この改革の意義は、元来中央集権的色彩が強く、閉鎖的な教育の分野に風穴をあけることと認識をしておりますが、この認識について、確認の意味を込めて、まずはお伺いをいたします。  そして、その具体的、体系的な計画として、区は教育改革アクションプランを策定、実施をし、このたびはその第二弾の素案が出されました。  そこでお尋ねをいたします。これまでのアクションプランの進捗状況はいかがだったでしょうか。  そして、それを受けて、このたびの素案の特色を挙げるならば、どのような点が挙げられますでしょうか。  次に、代表的な項目について若干お尋ねをしてまいります。  まずは、民間人校長の導入であります。  民間人校長が和田中学校に赴任をされて、はや半年が経過をいたしましたが、現時点での区の評価はどのようなものでしょうか。  また、教職員、生徒、保護者、地域や校長会、任命権者の東京都の評価、反応はいかがなものでございましょうか、あわせてお尋ねをいたします。  区としては、今後も民間人校長の登用を行うと思いますが、区として、この第一号校長に関して、いつの時点で正式な評価、政策的判断をする予定でいるのでしょうか、お尋ねをいたします。  次に、学校評議員制度学校コーディネーターについてもお伺いします。  地元の評議員の方々に伺っても、評議員会が余り議論が活発でなく、また、学校ごとにその評議員会に対する扱いや性格に違いがあり、正直、余り成果、存在意義が見出せないという声があります。また、学校コーディネーターについても、地域の方から、地域事情もろくに理解もせずいろいろと意見をし、かえって混乱を生じているという批判も挙がっております。たしか評議員やコーディネーターは、そもそも地域に対して開かれた学校を目指して創設されたものであるはずです。しかし、このような地域の声を聞いていますと、必ずしも区の目指す方向にベクトルは向いてないように感じます。しかしながら、このたびの素案を見ても、その中の文章は全く前例踏襲的な文章でありまして、区教委のこの点に関しての危機意識が大変希薄なように思えますけれども、いかがでございましょうか。  また、私なりに推察するに、それは学校現場の意識改革が十分に進んでない中で、区教委が机の上で考えた制度だけを押しつけて、結局地域の方々が迷惑をこうむっている形になってしまっているのではないでしょうか。ですから、このアクションプランの見直しを契機に、いま一度原点に返り、区教委がもっと現場を丹念に見ながら、そして、学校そのものに対する意識改革を強力に推進すべきと考えますが、この点についてご所見をお尋ねいたします。  さて、私は今回三つの項目を取り上げながら、本格的な地方分権時代における自治体像をいかにしていくかをテーマに質問してまいりました。そこで感じたのは、制度面の改革、形の改革は着実に進んでいるようでありますけれども、理念面の改革、心の改革がもう一歩、あと一歩かなと思う点であります。しっかり土地を耕さないと、よい作物も育ちません。これについて、私は区長のリーダーシップに大いに期待しているところであります。最後にこの点の区長の決意を改めてお伺いをいたしまして、私の質問を終了させていただきます。 ○副議長(宮原良人議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。      〔区長(山田 宏)登壇〕 ◎区長(山田宏) 富本議員の一般質問にご答弁申し上げます。  私からは、まず、衆議院選挙についての感想ということでございますけれども、今回の選挙を通じて、政権を競う、そういう望ましい政治体制へ一歩踏み出したというふうに私は評価をしております。ほどほどのいい結果になったと思っておりまして、ぜひその中で成果が出されるように期待をしております。  その中で、地方分権についていろいろ争われたわけですけれども、特に補助金等についても今大きな問題になっておりますが、とにかく、後でのご質問にもかかわりますけれども、やはりお金の自立がなくして精神的自立はないと思っておりまして、そういった意味でこの補助金、国の仕事と地方の仕事が四対六または三対七、こう言われている中で、税源配分はその逆になっているという状況から生まれてくる補助金や地方交付税交付金体制というものについては、やはり自立心というものを地域に根づかせるためにも、それは税源はその仕事に応じて渡していくということが必要なので、それが方向性としては、それぞれの政党が似たような方向性をとっているということで、私はこれも一つの時代の流れとは思いますが、今後、来年参議院選挙もありますので、その成果がやはり政権には問われてくるだろうと思います。ぜひそういった自主的な税源配分を、難しいと思いますけれども、どの税をどう配分するかによっては、地方との財政格差が非常に激しくなるということになってしまいますので、この辺、これから工夫が要るだろうと思いますが、期待しております。  それから、地方分権時代における自治体の理念面での改革について、まだ不十分だということですが、今申し上げた、制度が変わっても意識というものが、最終的には、あらゆる区役所の改革も区政改革もすべて、そういうものは意識改革につながらないとやはり本物にならないというふうに思います。意識というのは、右と言ったら右に変わるものではなくて、一つ一つの目の前の課題を、望ましい地域社会をどうつくるかという合意を得ながら、一体となって、自力で取り組んでいくという中でしか、自治の意識というのは芽生えないと思います。ですから、依存心があったり、だれかがやってくれるだろうと思ったり、だれかに文句ばかり言っているようなそういう社会であれば、それは自治というものからは離れていくというふうに思いますので、なるべくいろいろな制度や、また不十分な財政、いろいろなマイナス要因があったとしても、それをのみ込んで、目の前のある課題を望ましい社会に向けて解決をしていくということが積み重なってこそ、やはり意識改革というものにつながっていくと思います。  時には国の方針と、意見と反することがあってもいいと思います。そういうものに反するときは堂々と述べて、きちっとその辺について──今までは裁量権で、すべて国の言うことは右へ倣えだったけれども、法律に沿ってどう考えるかということについて意見が相違しても、私は、区民全体、住民全体の幸せ、福利の増進という視点から見れば、それはそういう主張は当然ある。そういう、ある面では抵抗心というものから自立心というものも芽生えてくると私は考えています。時にはいろいろな諸課題について、国と、また東京都と、今まではなかったけれども、解釈の違いというものに対して司法判断を仰ぐということも、わかりやすい自治を実現していくためには必要な部分が出てくるだろうというふうに考えております。そういうことを通じてこそ、私は自立というものが生まれてくるのであって、議員がおっしゃられたとおり、制度やその他がただ解決して、今までどおりお上意識のもとだけでは自立心というのは生まれてこない。目の前に問題を持っているのは我々自身であって、我々が目の前の問題に対して自分の力で解決をしていくという、そういう気持ちが特に今後大事だ、そういうことを積み重ねることによって、本来の自治が生まれてくるというふうに考えております。  大変長くなりましたけれども、以上、私の意見でございます。  他のご質問につきましては、関係部長よりご答弁申し上げます。 ○副議長(宮原良人議員) 高齢者担当部長。      〔高齢者担当部長(大澤 渉)登壇〕 ◎高齢者担当部長(大澤渉) 私からは、高齢者行政に関するご質問のうち、所管事項についてお答え申し上げます。  まず、高齢者福祉政策に関する知識量についてのご質問ですが、三年ごとに実施しております高齢者の生活実態と意識調査では、高齢者向けの三十六のサービスのうち、五〇%を超える認知度のものは四サービスにとどまっております。区といたしましては、「わたしの便利帳」や高齢者のしおり、介護保険利用者ガイド等でサービス内容の周知を図っているところですが、高齢者の方の情報量、知識量は、必ずしも十分でない状況にあると認識いたしております。  次に、老後の生活に必要な金銭面に関する情報提供についてのご質問ですが、どの程度の生活レベルを望まれるかによって、大きく老後に必要な金額も変わってきますので、難しい面もございますが、年金や介護サービスの自己負担等の公的な金銭面の情報提供は可能ですので、今後も、できる限りわかりやすく情報提供していきたいと考えております。  また、ご指摘のホームページにおけるモデル提供につきましては、研究課題とさせていただきたいと存じます。  次に、老後の問題の話し合いに関するお尋ねですが、高齢社会においては、老後を送る世代と支える世代が、年金や資産の問題を含めて、望ましい老後の暮らしについて相互に理解し合うことが不可欠かと存じます。区といたしましては、高齢者のしおり等で、老後の生活に必要な情報をわかりやすく提供するとともに、現状を把握するためのチェックシートの作成などによって、家庭内での議論のきっかけづくりをしてまいりたいと考えております。  次に、予防療法的な高齢者行政への転換についてのお尋ねですが、団塊の世代が高齢期を迎えるなど、区民ニーズも変化しようとしております。地域に立脚した身近な自治体として、国の動きを待つのではなく、潜在する区民のニーズをしっかりと把握し、豊かな知識と経験を持つ区民の社会参加を促進し、その力を生かしながら、安心と活力ある高齢社会を築くための施策を総合的に推進していく必要があると考えております。そのためには区民との協働が不可欠ですので、積極的に区民の皆様の中に入り、さまざまな機会をとらえて情報提供し、ご意見を十分に伺いながら、高齢者行政を進めてまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(宮原良人議員) 保健福祉部長。      〔保健福祉部長(小林英雄)登壇〕 ◎保健福祉部長(小林英雄) 私からは、高齢者施設と年金に関するご質問にお答えいたします。  まず、施設建設に関するお尋ねですが、区ではこれまでも、介護保険に関する調査等により、区民の施設サービス需要の把握に努めながら、地域のバランスにも考慮し、計画的に施設整備を進めてまいりましたが、急速に進む高齢社会への備えという点では、まだ十分とは言えない状況にあると思います。  区民の施設サービス需要が増加しておりますので、今後も、民間の資金や活力を活用したPFIなど、さまざまな整備手法を使って、特別養護老人ホームを初め、痴呆性高齢者グループホームや介護強化型ケアハウス等、入所型介護施設全体を効率的、計画的に整備していきたいと考えております。  次に、年金制度の信頼に関するお尋ねですが、少子高齢化が進む中、老後の生活を支える年金制度を改革し、国民に信頼される制度とすることは、社会保障制度上の最重要課題であると存じます。現在、厚生労働省から制度改革案が発表され、政府は年内にも改革案をまとめるとしておりますが、国民的な議論により、年金制度が世代間の扶養であるという理解が深まるとともに、若い世代の不信が解消でき、将来にわたって持続可能な安定した制度とすることが肝要と考えます。区としましては、こうした改革を受けまして、年金制度の普及啓発に力を入れて取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(宮原良人議員) 都市整備部長。      〔都市整備部長(菱山栄二)登壇〕 ◎都市整備部長(菱山栄二) 私からは、これからの高齢者行政に関する残りのご質問にお答えいたします。  まず、みどりの里の入居者の要介護の実態把握についてのお尋ねですが、各みどりの里に配置している生活協力員が、安否の確認や緊急時の対応、生活上の簡易な相談を行う中で把握をしております。また、区の非常勤職員である生活相談員が定期的に居住者を訪問し、生活上の指導助言や福祉・保健サービス等の情報提供を行う中でも把握に努めております。  要介護者等の居住者が出現した場合は、生活相談員が本人や親族と相談し、福祉事務所等とも連携しながら、介護保険を活用するなどの対応をいたしております。  次に、居住者の実態に合わせたみどりの里の再編、再構築についてのお尋ねですが、みどりの里は、住宅に困窮する低所得の高齢者を対象とした公営住宅法が適用される住宅施設でございます。したがいまして、それぞれ異なる健康状態の方が住み、暮らすことは、ある程度やむを得ないものと考えております。しかしながら、自立した生活を営む上で支障がある場合は、その状態に応じた介護を受けるよう対応しているところでございますので、本来の施設の位置づけに基づいて運営してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(宮原良人議員) 区民生活部長。      〔区民生活部長(四居 誠)登壇〕 ◎区民生活部長(四居誠) 私から、安全・安心のまちづくりに関する二つのご質問にお答えいたします。  安全パトロールの成果についてのお尋ねですが、防犯パトロール実施以降、八月から十月までの三カ月間の区内犯罪発生状況は、昨年同月時と比較して、侵入盗で九十四件、空き巣六十四件、ひったくり十八件の減少となっております。  パトロール隊に対する区民の声は大変良好で、空き巣等の被害が頻発している中、安心して暮らすためにも、パトロールの強化を要請する意見が多数寄せられております。  また、路上喫煙禁止地区のパトロールにおきましても、路上の吸い殻が八割以上減少するなど、大きな成果を上げているところでございます。  今後は、区民一人一人の意識を高めていくためにも、地域の中に防犯自主組織をより多く育成するとともに、警察などとも連携しながら、安心・安全に関する地域団体等との協力を強めてまいります。そうした中で区民の協力をいただきながら、パトロール隊が一層効果を発揮できる体制なども整えてまいりたいと存じます。  次に、住基ネット非通知申し出のご質問ですが、申し出件数は、十一月二十二日現在、五万二千七百十八件でございます。区として申し出件数の予測を立てたことはございませんが、確かに横浜市のケースに比べますと、申し出をした方の比率は半分以下で推移しております。  申し出件数の評価、今後への対応につきましては、二十八日までの最終結果を待ちまして、この間、区民の皆様からいただきましたご意見、ご要望なども参考に、慎重に検討してまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(宮原良人議員) 土木担当部長。      〔土木担当部長(原島昭治)登壇〕 ◎土木担当部長(原島昭治) 私からは、電線類の地中化とバス交通についてお答えをさせていただきます。  まず、電線類の地中化についてのお尋ねですが、区はこれまで、実施計画に基づいて、一定の歩道幅員のある道路について地中化を進めてまいりました。今後は、歩道のない狭い幅員の生活道路を含めて、引き続き地中化を進めていきたいと考えております。  ただし、技術、工法、国庫補助金等の財源、企業者の参画、住民の合意形成など、大きな課題があります。その解決に向けて、今後検討を進めてまいりたいと存じます。  次に、区道の電柱についてのお尋ねですが、現在、区道には、電力、電話柱合わせて約三万三千本があります。そこで生活道路の地中化を進めて、これらの電柱をできるだけ少なくしていきたいと考えております。しかし、現時点で地中化による電柱の減少本数については、未定でございます。  次に、地中化にかかわる費用や補助金等についてのお尋ねですが、幅員が七メートル程度の生活道路に簡易な電線共同溝を設置して地中化をした場合、一キロメートル当たり約十五から十七億程度かかるのではないかと考えております。現在、生活道路は電線地中化事業の国庫補助事業の対象となってございません。また、移設、切り回し費用も、大部分が区の負担となります。  そこで、地中化を進めていく上で、新しい技術、工法の採用やその整備費用、移設、切り回し費用が補助金の対象となるよう国や都へ働きかけるとともに、東京電力など関係企業者にも協力を求めていきたいと存じます。
     次に、民間路線バスの小型化についてのお尋ねですが、区はこれまでも、バス事業者連絡会などを通じまして要請をしてまいりましたが、小型化には、輸送客数や車両買いかえ等、費用等の課題があるということでございます。  区といたしましては、ご指摘の交通安全の視点に立って、今後も、バス事業者に対して、区の道路交通事情に即したバスの運行と車両の小型化の推進を要請してまいりたいと存じます。  次に、すぎ丸の新規路線の計画についてのお尋ねですが、現在、二路線目となる浜田山−下高井戸路線の平成十六年度中の開通を目指して準備を進めております。三路線目の計画につきましては、今後、区民要望を踏まえて検討を進めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 ○副議長(宮原良人議員) 危機管理室長。      〔危機管理室長(中公敏行)登壇〕 ◎危機管理室長(中公敏行) 私からは、安心・安全まちづくりについてのご質問のうち、残りのご質問にお答えをいたします。  まず、情報の安全と命の安全との優先順位についてのお尋ねですが、近年、予期しがたいさまざまな事件や問題が発生する中で、区民の生命、財産を守る立場にある区として、地域社会の安全と安心の確保が最も基本的な自治体の責務ととらえ、区政運営の第一の柱に据えて取り組んでいるところでございます。  その中で、ご指摘の情報の安全は、安全パトロールの実施、救命救急体制の構築等、命の安全面の施策と並んで、区政への信頼の確保という観点からも、大変重要なことと認識をしております。両方の施策をあわせて実施することにより、安心・安全のまちづくりを推進してまいりたいと存じております。  次に、危機管理室と所管部署との役割分担等についてのお尋ねですが、危機管理室は、とかく縦割りになりがちな役所の組織に危機管理の面から横断的な対応をとり、組織間の連携を図りながら、区として迅速、的確な対応がとれるよう設置したものでございます。緊急事態の発生、またそのおそれがあるときには、危機管理室がリーダーシップをとり、各部間との調整を図りながら、トップが正確な情報を迅速に把握し、的確な判断と効果的な対策が早期にとれるよう、パイプ役としての機能を発揮することとしております。  ご指摘の危機管理室の存在感につきましては、ご指摘の点を十分受けとめ、緊急時にスムーズな対応が図れるよう日々努力してまいりたいと存じております。  以上でございます。 ○副議長(宮原良人議員) 教育長。      〔教育長(納冨善朗)登壇〕 ◎教育長(納冨善朗) 教育委員会所管のご質問にご答弁を申し上げます。  私からは、教育改革の意義に関するお尋ねにお答えをいたします。  ご指摘にありましたように、教育機関等の姿勢が、国や都に対して受け身的、依存的体質を持ち、閉鎖的であったことは否定できませんが、もはや、国が決め、地方がそれを実施するというような時代ではありません。地域のことは地域の実情を踏まえて地域が判断をし、実行する、こういう時代の中で、私は就任以来、自ら立つ、自ら律するという二つのジリツ、それから開かれた学校像というものを校長に求めておりますが、教育改革の意義は、ご指摘にありましたような状況を打ち破り、各学校が特色ある学校づくりに向けて、この二つのジリツを柱にして、学校の経営力を高め、未来を担う子どもたちが楽しく学び、思いやりの心とたくましく生きる力をはぐくんでいく、そういう教育を推進できるようにするところにあるというふうに考えております。  そのためアクションプランを策定し、その事業を着実に進めることで、開かれた学校づくりに向けて、校長初め教職員の意識改革を進めているところでございますが、今回の見直しを機に、さらに、教育改革の原点は地域に根差した学校にあるという考え方で、常に学校の状況把握に努め、学校全体の意識改革を進めてまいります。その中で、アクションプランに掲げた目標と施策の実現に取り組んでまいる所存でございます。  私からは以上です。残るご質問には、次長からご答弁申し上げます。 ○副議長(宮原良人議員) 教育委員会事務局次長。      〔教育委員会事務局次長(佐藤博継)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(佐藤博継) 私からは、アクションプランの進捗状況と教育にかかわる残りのご質問にお答えいたします。  まず、教育改革アクションプランの進捗状況でございますが、フレッシュ補助教員の配置、民間講師による授業の実施、それから学校サポーター制度や土曜日学校の実施など、おおむね計画に沿って着実に進展しているというように認識してございます。  今回の改定計画素案の特色でございますが、学力向上や体力向上のための施策、小中一貫教育の施行、学期等の弾力化など、児童生徒の教育向上の視点に立った施策や、先ほど教育長からご答弁申し上げました、学校の二つのジリツを促し、特色ある学校づくりを進めるための施策、これらを新たに計画いたしました。さらに、不審者侵入時の危機管理対策など、児童生徒の安全確保のための事業の拡充を図ったところにございます。  次に、民間人校長の評価に関してでございますが、校長は、民間企業の経験を生かしました学校経営を進めてございます。他校の学校経営の刺激にもなってございます。具体的に申し上げますと、コミュニティ基金構想ですとか、あるいは小中連携教育の積極的な推進など、その意欲的な経営姿勢は、教育委員会としても評価しているところでございます。  教職員、生徒、保護者等からでございますが、まだ正式な調査は実施してございませんが、個別的におおむね良好な評価を得ているというように受けとめてございます。  また、区として実施する民間人校長への評価の時期でございますが、年度末にかけて行います教育管理職の業績評価において行ってまいりたいというふうに考えてございます。  また、学校評議員、学校コーディネーターについてのご質問がございました。  まだ発足後間もない制度でもございまして、ご指摘のように、学校評議員会の運営あるいはコーディネーターと地域との関係など、改善すべき課題があると認識してございます。説明責任を果たす中で、あるいは事業を推進する中で、目的に沿ったよりよい制度となるよう努力してまいりたいと存じます。  私からは以上です。 ○副議長(宮原良人議員) 選挙管理委員会委員長。      〔選挙管理委員会委員長(和田 功)登壇〕 ◎選挙管理委員会委員長(和田功) 選挙管理委員会所管事項についてお答えをいたします。  今回行われました第四十三回衆議院議員選挙の投票率に関するお尋ねでございましたけれども、小選挙区における全国投票率は五九・八六%で、前回、平成十二年を二・六三%、また、杉並区におきましても五七・三九%で、一・六〇ポイント、いずれも下回る結果となりました。  昨今の各種選挙において低投票率が指摘される中で、「広報すぎなみ」を十月、また十一月に二十六万部を発行、あるいは明るい選挙推進委員の皆様百二十余名の方々にもお働きいただいたり、あるいはまた区内の各団体、また機関等にいろいろご協力をお願いして活動を行ったわけでございますが、今回投票率が前回を下回ることになったことは、まことに残念な結果であると存じます。選挙管理委員会といたしましては、今後も、投票率向上のために一層常時啓発活動等に留意してまいりたいと存じます。  以上でございます。 ○副議長(宮原良人議員) 二十九番富本卓議員。      〔二十九番(富本卓議員)登壇〕 ◆二十九番(富本卓議員) ご答弁ありがとうございました。ちょっと何点か再質問いたします。  まず、高齢者行政についての話なんですけれども、その前に、区長が大分気合いを入れた答弁をしていただいたんですが、その気合いと大分反しまして、高齢者行政については余り気合いを感じられなかった答弁なんですが、まず、情報量について認識をしていると。実態調査も知識量が非常に低いということを認識しているだけで、認識をしているだけだったら何も進まないんですよね。その辺についての施策としてどういうことを考えているのかということをもうちょっと具体的に示さないと、認識しているままじゃ全然進みませんと思いますが、その辺についていかがかということ。  それからあと、施設建設も十分に考えてやってきましたよと言いましたけれども、そこの調査がしっかりとされてなくて、本当に区民の真のニーズと施設の建設が合っているのかということを私は聞いているので、今までは、高齢者施策で国がボォーんと言ったことである程度やってきた事実がありますけれども、そうじゃなくて、区民のニーズを本当によく理解しているのか。区民がその情報をしっかり理解した上で、それに立った建設をしていかなければいけないということを言っているので、本当に特養が幾つ要るのか、本当にグループホームが幾つ要るのかということを、もっと区民としっかりとやる必要がある。これはさっきの調査の、上の認識の話ともかかわるんですけれども、そこが十分に対応できているのかどうかということを確認しておりまして、施設が足りている、足りてないということじゃなくて、その土壌がちゃんとできているかどうかということを聞いているので、その辺について、もう一度伺います。  それから、みどりの里についても答弁いただきました。確かに公営住宅法によってやられていることはわかるんですけれども、私は、ですから、その枠組みを考え直すぐらい、ちょっと大胆に変えていってもいいのではないのかなと。要するにみどりの里のあり方というのも、特色をつける意味でも変えていく時期なんじゃないのかな。ある種言えば、住宅の方で答えるんじゃなくて、高齢者施策に入っていくような考え方はないのかなというようなところがあるんですね。ですから、区民にしてみれば、これが住宅政策なのか、これが福祉政策なのかという枠組みなんて、はっきりわからない、関係ないですよね。その辺がちょっと、区が思っていることと区民の実態とが合ってない。その辺の枠組みぐらいから考え直してみるみたいなことをやってみてはどうなのかなと、そういうご質問をしたので、その辺についてお伺いをいたします。  それから、住基ネットについてなんですけれども、余り詳しくはしませんけれども、一〇%という数字ですね、大体。ご意見、ご要望を慎重にというのがありますが、どうしてもご意見、ご要望となると、一〇%の方のご意見、ご要望が多いと思うんですよね。何もしてこなかった人は意見もないということになると、この辺について区としてはどういうふうに考えながら、ご意見、ご要望をどう慎重に扱っていくのか、この辺についてお伺いをしたい。  あと、電柱についてなんですが、確かに三万三千本ありますが、数字は全く未定ということなんですけれども、未定といってもある程度、例えば千なのか百なのか一万なのか、ちょっとその辺は全く答えられないレベルなのかどうかということを伺いたい。  それからあと、すぎ丸くんなんでございますが、西部路線、検討しているということなんですけれども、どの程度検討しているのか。検討しているのは、検討してもらわなきゃ困りますよ。検討しているのはわかるんですけれども、どの程度検討しているのかということをもうちょっと具体像を示していただきたいということです。  あと、すぎ丸というか、民間路線バスについてなんですが、小型化についてなんですけれども、先ほど私も質問しましたけれども、区長の所信表明の中に、まちづくりの総合的推進という言葉があるんですけれども、この言葉の中に、民間路線バスの小型化という話は入っているのかどうかということはどういうふうに考えているのか。入ってなかったら残念なんですが、その辺についてお伺いをしたいと思います。  よろしくご答弁お願いします。 ○副議長(宮原良人議員) 高齢者担当部長。      〔高齢者担当部長(大澤 渉)登壇〕 ◎高齢者担当部長(大澤渉) 私からは、富本議員の再度のお尋ねのうち、高齢者の高齢者施策に関する認識等につきましてご答弁申し上げます。  議員のお話の中で、認識しているだけでは進まないということでございますが、私どもも従来、高齢者のしおりとか介護保険のパンフレットとか、そういったもので周知に努めてきたわけでございますが、まだまだ不十分だろうというふうに考えてございます。  その中で、今回議員のご提案もございました、例えば特別養護老人ホームにしても、どういう対象の方を、どのぐらいの費用負担でといった細かなところがよくおわかりになってないために、老後の生活設計みたいなところになかなか結びつかないという問題がございます。そういったことにつきまして、今回ご提案いただいたいろいろなモデル的なことを考えるといったことも含め、よりきめ細かなPRを今後検討してまいりたいというふうに思っております。  それともう一点、そうはいってもなかなか、そういった事態にならないと、具体的なところまで思い至らないということもあろうかと存じますので、そういった介護が必要になったといったときに、いつでもお気軽にご相談いただけるようなケア24などの整備と、そういった相談機関の周知についても引き続き努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(宮原良人議員) 保健福祉部長。      〔保健福祉部長(小林英雄)登壇〕 ◎保健福祉部長(小林英雄) 私からは、施設建設とみどりの里に関する再質問にお答えをいたします。  高齢者のニーズに適合して施設建設が必ずしも進められてこなかったのではないかというご趣旨だったと思いますが、十四年度に、十五年度から三カ年の介護保険事業計画を改定し、策定をいたしました。この際にも、介護サービスの種別ごとに利用希望を調査いたしまして、必要量を見込み、計画化したところでございます。  現状におきましては、とりわけ入所型の介護施設が不足しているというふうに認識しておりまして、これからの急速な高齢化を考えたときに、これへの対策、緊急の整備というものが求められているということで、今後も強力に推進していきたいというふうに考えております。  それから、みどりの里についてのお尋ねですが、高齢者の生活を考えた場合、やはり住宅ということが最も基本であろうかと思います。そういう意味で、住宅施策であり、また福祉的な側面も持っているというふうに認識しておりますが、今後のみどりの里入居者が高齢化していく中で、少しずつ要介護の人たちも増えていくという中で、さまざまな制約条件、補助金、あるいは施設の構造を改修するにしても、そういったいろいろな制約がありますが、このままでいいかどうかについては、よく研究をすべき課題ということだと思います。  以上でございます。 ○副議長(宮原良人議員) 区民生活部長。      〔区民生活部長(四居 誠)登壇〕 ◎区民生活部長(四居誠) 私から、住基ネットに関する再度のご質問にお答え申し上げます。  お尋ねは、区民のご意見、ご要望といっても、一〇%の方が多いだろう、そうした中でそれらの評価をどう見るんだということだったかと存じますが、確かに、いろいろいただきましたご意見の中で多かったものは、非通知という形の申し出ではなくて、参加、不参加、両方をとるべきじゃないかとか、そういった傾向のご意見なりご要望が多くございました。しかし、私どもとしましては、それは決して数の問題ではございませんで、いろいろいただいた区民の方々のご意見の中身を慎重に評価をさせていただきまして、今後の私どもの対応策を考える上での参考にしてまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 ○副議長(宮原良人議員) 土木担当部長。      〔土木担当部長(原島昭治)登壇〕 ◎土木担当部長(原島昭治) 私からは、電柱の地中化と民間バス路線の件と、それからすぎ丸の件についてお答えをさせていただきたいと思います。  電柱の地中化の件なんですけれども、何本かという具体的な数字ということなんですが、大体区道の中で三十メートルに一本ぐらい電柱が立っているということでございますが、先ほど申し上げましたように、一キロ十五億から十七億かかるというようなことがありまして、こちらの方の、いかに低減化するか、工事費を安くするかというようなことも含めて検討しないと、具体的な本数が出てこないということでございますので、延長が決まれば、もう少し明確な数字が出ると思います。  それから、すぎ丸の検討状況ということでございますが、現在、区内交通不便地域は幾つかあるわけでございますが、西荻地域につきましても検討を進めているということでございます。  それから、民間路線バスの小型化が総合的なまちづくりの推進の中に含まれているのかということでございますが、先ほども申し上げましたように、交通安全の視点も踏まえて、区民のニーズに合ったバスの運行ということが必要だということでございますので、この中に入っているということでございます。  以上でございます。 ○副議長(宮原良人議員) 二十六番藤原一男議員。      〔二十六番(藤原一男議員)登壇〕 ◆二十六番(藤原一男議員) 杉並区議会公明党の一員として、当面する区政の課題について質問いたします。  質問の内容は、区民の安全・安心という観点から、安全・安心のまちづくり、交通安全対策、救急医療対策、食の安全対策について、そして動物と共生するまちづくりについて、富士見ケ丘駅周辺の整備についてなど、六点にわたり質問をいたします。多岐にわたりますが、明快な答弁をお願いいたします。また、若干他の議員との重なった質問もありますが、よろしくお願い申し上げます。  初めに、安全・安心のまちづくりについてお尋ねいたします。  杉並区においても、近年、空き巣やひったくりなどの犯罪が増加しており、この五年間で犯罪認知件数が六〇%以上増加したとの報告もあり、区民の安全への不安が高まっております。区長も所信表明で、自治体行政の役割として、地域社会の安全と安心を確保することを最も基本的な責務ととらえ、今後の区政運営の第一の柱に据えて取り組みたい、このように述べておられます。  これを受けて、これは先ほどの議員も質問されましたが、本年八月より、区内を巡回して犯罪の発生を警戒し、防犯を呼びかけ、空き巣などの抑止に努めることを目的として、杉並区独自の安全パトロールが実施されました。この安全パトロールについては新聞報道でも紹介されており、私もその成果が着実に上がっているものと思います。これまで実施してきて、区としてどのように評価されているのか。また、今後この安全パトロールを地域との連携などを含めてどのように進めていくのか、その方向性についての見解を求めます。  十月からは安全美化条例が施行されました。これに基づき、JRの荻窪、阿佐ケ谷、高円寺の三駅周辺に路上禁煙地区が指定され、ここでも安全パトロール隊が見回り、路上禁煙地区内での喫煙やポイ捨ての注意を呼びかける環境美化パトロールが行われております。地域の方々に伺っても、これによってたばこの吸い殻が減ったとの声も聞かれ、効果が上がっていると思います。ただ、路上禁煙地域を抜けた住宅地でポイ捨てが増えたとの苦情も出ておるようでございます。実施して二カ月弱ではございますが、施行前と施行後の現状についてどのような状況なのか、お伺いいたします。また、それに対してどのように評価をしているのか。  また、路上禁煙地区については、区民の方から、三地区だけではなく、もっと拡大を求める声も聞いております。JRの西荻窪駅にもしてほしいとの声も聞いております。また、駅前だけでなく、学校や幼稚園の周辺にもしてほしいとの声も出ておるようでございます。そこで、今後の路上禁煙地区指定についての拡大の方向や考え方についての見解を求めます。  安全美化条例では罰則規定があり、この路上禁煙地区については、罰則の適用である過料の徴収について、杉並区の広報では、来年四月までに決定するとなっております。この過料では千代田区が有名になり、その効果についても報道されております。しかし、千代田区と当区では事情が大きく異なっております。千代田区の場合は、区民というよりも他の区からの来訪者が多数であるわけでありますが、我が区においては、多くが区民の方と考えられます。このような事情を考慮すれば、むしろ区民の方々の理解と協力によって路上禁煙を実現することが大事であり、過料を科す罰則の適用には慎重に取り組むべきであると考えますが、見解を求めます。  そこで、安全・安心のまちづくりには、区民一人一人が防犯意識を持つことと同時に、まち全体の雰囲気づくりが必要と言われております。隣近所がお互いにあいさつ、声かけをする、また、ごみ捨て場が清潔という地域では、犯罪件数が少ないという報告もあります。あわせて、自分たちの地域は自分たちで守っていくという意識をつくっていくことも必要であります。既に我が区において地域で自発的にこのようなコミュニティができつつあるところもございます。このような、安心して暮らせるコミュニティづくりに、区として今後どのように具体的に取り組もうとしているのか見解を求めます。  安心して暮らせるコミュニティづくりというソフト面とあわせて、安全で快適な環境づくりというハード面の整備も欠かせません。そこに住民が参加して、ともに安全なまちづくりを考えるということが必要であります。  愛知県の春日井市では、暗がり診断というものを行っております。これは、毎年市内の中学校区ごとに五百メートル四方の調査区域を設定し、地域住民と行政、警察がともに夜間の調査区域を歩き、暗くて危ない場所の確認を行うというものであります。犯罪の温床となる暗がりの解消とともに、地域住民に地域を見詰め直してもらい、コミュニティ再生の契機になっているとのことです。この診断結果に基づいて防犯灯や街路灯の設置が進められ、この九年間で五百五十三基が新設されたということでございます。  我が区においては、街路灯、防犯灯の整備や見通しのきく住環境、そして、防犯カメラの設置などの安全な環境づくりの整備に今後どのように取り組んでいくのか、見解を求めます。  そこで、防犯カメラについて伺います。  新宿の歌舞伎町に昨年二月、五十台の街頭防犯カメラが警視庁により設置され、その結果、路上の犯罪認知件数が減少したとの報道がございました。また、江戸川区のJR小岩駅前の商店街では、ことし三月、商店主や住民が六十台の防犯カメラを設置して、三カ月で刑法犯が大幅に減少した、このような報道もなされております。このように、防犯カメラについては犯罪抑止効果の有用性が指摘をされております。我が区においても、浜田山の公園にスーパー防犯灯が設置されるほか、商店街などでも設置が増加していると聞いております。  そこで、まず、防犯カメラの犯罪抑止効果について、区はどのように認識しているのか、見解を求めます。  このような状況の中、山田区長は、他の自治体に先駆けて、杉並区監視カメラに関する専門家会議を設置し、七月三十一日第一回会議が開催されました。席上、区長から、監視カメラの設置及び利用基準についての諮問が行われ、そこでは、監視カメラの有効性、有用性を踏まえた上で、プライバシー保護の立場から監視カメラの設置及び利用基準のあり方とその実効性を担保するための条例化について諮問するとなっております。この会議は全国でも、またマスコミでも報道され、注目をされており、今まで三回の会議が重ねられ、十二月一日には答申が出る予定と言われております。  そこで、現在までの会議の状況についてどのように評価されているのか、また、この答申の扱いについて、また今後の進め方について、区としてはどのように考えておられるのか、見解を求めます。  次に、交通安全という観点から、一点質問をさせていただきます。  近年、抜け道マップやカーナビの普及によって、従来は生活道路であった道に通過車両が多くなり、大変危険になっております。特に高齢者や児童にとって危険であり、何とかできないのかとの相談が多くの区民の皆さんから寄せられております。警察庁交通局交通企画課の資料においても、歩行中の交通事故による死者の約六割は、自宅から五百メートル以内で事故に遭っているとのことであり、特に高齢者の場合は、その比率が高くなっているということであります。  こうした情勢を踏まえて、国においても、警察庁と国土交通省は本年七月、死傷事故抑止対策を集中的に実施するため、安心歩行エリア及び事故危険箇所を指定し、都道府県公安委員会と道路交通管理者が連携して対策を講ずることにしております。  我が杉並区においても、第七次杉並区交通安全計画の中において、抜け道対策として、通行禁止規制や一方通行規制を行うなどして通過車両の抑制を行います、このように述べております。これを具体的に進めることが緊急の課題であると考えます。区として、警察とも連携をとり、住民も含めた生活道路の安全確保について取り組みを行うべきであると考えますが、見解を求めます。  次に、救命救急医療についてお尋ねいたします。  必要なときに速やかに適切な医療を受けられることは、区民の安心に欠かせないものでございます。我が国の救急医療体制は、初期、二次、三次の三層構造から成っており、入院治療を必要とする中・重症患者に対する二次救急、生命危機が逼迫している重症・重篤患者に対する三次救急は、東京都が都内全域を十四地域に区分した二次医療圏を単位に整備がされております。  杉並区は、新宿区、中野区との三区で区西部医療圏を構成し、この区西部医療圏には二次救急医療機関が二十三病院、三次救急医療機関である救命救急センターは二カ所となっております。しかし、杉並区内には三次救急の救命救急センターはありません。二次救急医療機関も区内に七病院、救急告示医療機関が三病院ありますが、比較的規模の小さい病院であり、いずれも深夜の体制には制約があり、救急患者の受け入れ条件は十分とは言えない現状でございます。杉並区は高齢者の脳疾患、循環器疾患のように緊急の手当てを要する救急患者も多く、また、小児救急も焦眉の急であり、区民からは救急医療に対する強い要望が寄せられております。  この区民の要望を受けて、区として、昨年、杉並区地域保健推進協議会救急医療検討部会において、「杉並区における救命救急医療のあり方について」の検討会を持ち、救命救急医療を視野に入れた二次救急医療体制の充実について提言が行われております。
     その中で、救急隊や区民の医療機関選択を支援し、病院間の連携も円滑になるよう、区独自の情報をリアルタイムに収集、活用できる仕組みをつくる必要があると述べております。区民の不安を取り除くためにも、これらの提言を具体化していくことが必要でございます。区民の中からも、天沼地域町会連合会からは、システムについての具体的提案もなされております。区長も、夜間小児救急を含めた救急医療体制の整備を図るため、救急医療機関が連携した杉並独自の救命救急体制構築の準備を進め、安心できる医療体制の整備に努めると明言されております。また、区内には救命救急センター長の要職にある有識者もおられ、協力を求めることもできます。  そこで、区内及び周辺医療機関と協定を結び、救急医療の情報を集中管理し、区民に救急時の情報を提供できるよう、救急情報管理センターのようなものを設置することを検討すべきであると考えますが、見解を求めます。  次に、食の安全対策について伺います。  ここ数年、国内でのBSE感染牛の発見や、食肉、魚介、野菜等の産地偽装、未承認添加物、輸入食品の残留農薬など、食への不安、不信を高める事態が続きました。国においても、これらの問題に対応して、我が公明党が積極的に推進し、食品安全基本法が制定され、食品衛生法の抜本的改正、農水関係の新法制定改正も行われました。これらは国民の健康保護が最も重要であるという基本的認識のもとに、食品の安全性を確保するとしております。そして事故に対する事後対応だけでなく、被害発生が予測される場合には、可能な範囲で事故を未然に防ぎ、リスクを最小限にするためのシステムであるリスク分析の考え方を導入しております。  東京都においても、現在、東京都食品安全基本条例の制定に向けて取り組んでおり、十一月二十一日には、東京都衛生調査会から、東京都食品安全基本条例(仮称)の考え方についての答申が東京都知事あてに出されております。これらを踏まえて、何点か質問をいたします。  この答申の中で、地方自治体には、リスク管理機関として、監視、検査体制の充実や、消費者とのリスクコミュニケーション等の施策の充実強化が求められると述べております。食の安全に向けて、我が杉並区のリスクコミュニケーションは、関東農政局主催のシンポジウムでも先進事例として紹介されているように、他の自治体に先駆けて取り組んできたと認識しております。  そこで、これまでの取り組みについての評価と、さらに、東京都の条例制定を踏まえて今後どのように進めていこうと考えているのか、見解を求めます。  区においては、区民の健康の保護という観点から、食の安全に取り組む体制を整える必要があると思います。保健所が中心となると思いますが、区民生活部の消費者担当や経済勤労課など関係部署が全庁的に連携をとり、区民の健康の保護という観点からの食の安全体制をとることが必要でございます。この点についてどのように取り組もうとするのか、見解を求めます。  また、都と区の役割分担についても十分に調整する必要があります。例えば今回の答申で、食品の自主回収報告制度の導入が言われております。その届け出先の窓口が一本化されないと、混乱し、適切な指導が困難になります。答申においても、制度の導入に当たっては、事業者が日常的に保健所と連絡をとっている状況などを考慮し、届け出先を検討することが必要であると指摘しておりますが、区が窓口となるよう、東京都に対しても働きかける必要があると思いますが、見解を求めます。  次に、動物と共生するまちづくりについて質問いたします。  我が杉並区は、二十三区で最もペットが多いと言われております。保健福祉計画におきましても、犬や猫などの動物は人間のかけがえのないパートナーであり、人との共生を進めるということで、これまでも取り組んできました。また、それらを踏まえて幾つか質問をいたします。  まず、犬を連れて入れる公園の状況についてです。  昨年十月から、我が区においても、犬を連れて入れる区立公園を、蚕糸の森公園、馬橋公園、塚山公園、井草森公園の四つの公園で試行的に行ってまいりました。愛犬家からは大変喜ばれておりますが、この一年が経過しての評価と、今後の他の公園への拡大も含めてどのように取り組んでいくのか、見解を求めます。  東京都においては、昨年十二月から、世田谷区の駒沢オリンピック公園と調布市の神代植物公園の二カ所で、犬の専用散歩広場、いわゆるドッグランを試行的に実施し、本年十一月から本格実施されることになりました。我が区にも、善福寺川緑地などドッグランに適した場所があり、区民の方から、ぜひドッグランの設置をとの要望も寄せられております。東京都では、今後、一定の条件が整う公園についてドッグランを順次拡大していく方向を打ち出しております。我が区においても、東京都とも連携をとり、ドッグランの設置に取り組むようにしてはどうかと考えますが、見解を求めます。  次に、区民の方からいつも出てくる苦情に、飼い主のいない猫の問題があります。東京都では、飼い主のいない猫との共生モデルプランとして、不妊・去勢手術をした上で、地域で適切に管理をし、飼い主のいない猫をなくしていくという取り組みを試行的に行っております。我が区においても、動物対策連絡会で検討が進んでいると聞いておりますが、動物と共生するまちづくりの観点からどのように取り組んでいくのか、見解を求めます。  次に、犬の狂犬病予防の集合注射について。  現在、野外で行われておりますが、動物愛護という点からも、また、天候に左右されることや、衛生面からも問題が指摘されているところであります。実際、既に多くの犬は動物病院で予防注射を受けております。他区においても、野外の集合注射を病院に移行しているところがございます。動物と共生するまちを目指す我が区として、野外での狂犬病予防の集合注射を動物病院で行うようにするべきではないかと考えますが、見解を求めます。  次に、先日、区内の小学校で動物を通じて触れ合い授業が行われ、子どもたちから大変に好評であったと聞きました。身近な動物を通して、命を大切にすることや、優しさや豊かな心を育てることが今ほど求められているときはございません。このような授業をもっと多くの学校でも行っていくべきだと考えますが、見解を求めます。  最後に、富士見ケ丘駅周辺の整備について尋ねます。  富士見ケ丘駅周辺の交通状況の改善については、長年住民の方々から要望が出ておりました。今回、その富士見ケ丘駅前に突然葬儀場建設の問題が持ち上がり、自治会、商店会を初め、多くの住民の方から強い反対の声が上がっております。また、この事業者の不誠実な態度に対し、住民の多くから怒りの声が上がっております。  このような状況の中、杉並区としても、杉並区斎場の設置に関する指導要綱を制定し、この問題の解決に取り組んできたところであります。  そこでまず、現在の状況について伺います。  そして、今後も、住民の方たちのこの声を真剣に受けとめ、区としても事業者に対して毅然とした、また、厳しい指導をしていくべきだと考えますが、見解を求めます。  この富士見ケ丘駅周辺は、斎場建設の問題だけでなく、住民の方々から、富士見ケ丘駅周辺の交通安全対策を含め、駅のバリアフリーなどの整備を求める要望が出されております。これらに対して、区として住民の要望を受けとめ、取り組むべきであると考えますが、見解を求めます。  以上、多岐にわたりましたが、明快な答弁を求めて質問を終わります。 ○副議長(宮原良人議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。      〔区長(山田 宏)登壇〕 ◎区長(山田宏) 藤原議員の一般質問にご答弁申し上げます。  私からは、防犯カメラの有用性と杉並区監視カメラに関する専門家会議についてご答弁申し上げます。  この防犯カメラの有用性については、ご指摘のとおり、新宿の歌舞伎町では大きな効果を上げておりますし、また、長崎市の男児誘拐殺害事件においては、防犯カメラの映像が解決の決め手になるなど、防犯カメラが犯人の検挙というものにも役立っているということで、その有用性については、私も当然高いものがあるというふうに考えております。  しかし、一方で、このカメラをどんどん推進してきたイギリスなどの状況を見ても、これにはやっぱり一定の限界があって、イタチごっこになると。カメラのないところでまた行われるということになっていく傾向がありまして、基本的には、こういうものも使いながら、犯罪抑止のためには、地域の目、地域の耳、地域の口という面で、コミュニティの再生というものが当然重要になってくると考えておりますが、カメラの有用性については、場所によっては高い部分があるというふうに考えております。  そういった中で、杉並区監視カメラに関する専門家会議を立ち上げ、この監視カメラに関しての運用基準みたいなものを検討していこうということで、三好達元最高裁判所長官を会長に、四人の専門家による会議をここまで進めてきていただいております。  この会議では、今申し上げましたとおり、犯罪抑止にかかわる防犯カメラの有用性について認識をした上で、今後急増するであろう防犯カメラと区民のプライバシー保護との調和をいかに図っていくかという観点で、区民の意識調査も行いながら、区内の現状なども配慮して、条例化を前提に、防犯カメラに関する設置及び利用基準についての議論が行われ、十二月一日に答申をいただく予定になっております。  区としては、この答申を踏まえ、次の第一回区議会定例会に条例案を提案したいと考えております。  私からは以上でございます。残余のご質問につきましては、関係部長よりご答弁申し上げます。 ○副議長(宮原良人議員) 区民生活部長。      〔区民生活部長(四居 誠)登壇〕 ◎区民生活部長(四居誠) 私から、安全・安心のまちづくりに関する残りのご質問のうち、所管の事項についてお答えをいたします。  まず、防犯パトロールの評価と今後の方向性についてのお尋ねですが、パトロール実施以降、パトロール隊に対する区民の受けとめ方は大変好意的でありまして、三カ月間の区内犯罪発生状況は、昨年同月時と比較をして、侵入盗で九十四件、空き巣六十四件、ひったくり十八件の減少となっており、こうした状況を区としても高く評価をしているところでございます。  今後は、区民一人一人の防犯意識を高めるため、徒歩による区民への声かけや通学路の重点警戒など、効果的な巡回を強化するとともに、警察や防犯自主組織との連携をより深め、犯罪の抑止に努めてまいりたいと存じます。  次に、安全な地域をつくるためのコミュニティづくりについてのお尋ねですが、安全で安心して暮らせる生活を実現することは、区民一人一人の基本的な権利であり、共通の願いでもあろうかと存じます。最近、防犯の問題をきっかけに、地域の安全は自分たちで守るという意識を持って考え、実行する、地域自主団体の活動が広がってきております。こうした活動の経験は、自分たちの住む地域の安全が高まっていくことを再認識させたり、さまざまな人々との新たな出会いをつくっております。区は、こうした地域の活動を積極的に支援し、犯罪に強いコミュニティの実現を図ってまいりたいと存じます。  次に、安全・安心まちづくりに関するハード面の整備に関するお尋ねですが、本年九月から十月にかけ、区道や公園を含めた、区が管理する施設について、安全対策面からの点検調査を行いました。この結果、安全確保のために街灯の新設、増設が必要との回答も上がっておりますので、重要度、緊急度を精査し、優先度の高いものは、今年度中に設置、移設等の対応を図ってまいる予定です。  また、防犯カメラの設置につきましては、専門家会議の提言、それに基づく条例、運用ルールなどの策定にあわせて、区施設への設置など、ハード面の整備についても検討してまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(宮原良人議員) 環境清掃部長。      〔環境清掃部長(栗田和雄)登壇〕 ◎環境清掃部長(栗田和雄) 私からは、路上禁煙地区に関するご質問、二点についてお答え申し上げます。  まず、路上禁煙地区の指定に関するお尋ねでございますが、区では、平成十年九月から、中杉通りと高南通りにおきまして、定期的に吸い殻等の散乱状況調査を行ってまいりました。この調査における吸い殻の平均本数と、地区指定後の十一月に実施をいたしました散乱状況調査結果とを比較いたしますと、吸い殻の本数では、中杉通りで約八三%、高南通りで約八六%という減少を見ております。三つの路上禁煙地区内におきまして、施行後一カ月で一万一千百六十七件の指導を行っておりますが、日々の指導件数を見ますと、徐々にではございますが、減ってきております。区民、事業者のご協力を得て、一定の成果を上げていると考えております。  また、地区の拡大につきましては、今年度内に西荻窪駅周辺を新たに指定をいたしまして、また、高円寺地区を一部拡大したいと考えており、今後も、区民の皆様のご意見を聞きながら検討してまいりたいと存じます。  次に、路上禁煙地区における過料の徴収についてのお尋ねでございますが、安全美化条例は、路上禁煙地区内の違反行為に対しまして罰則規定を置いておりますが、過料を徴収すること自体が目的ではなく、路上における喫煙行為や吸い殻の投げ捨て行為をなくし、快適な杉並区をつくることを目的としております。  また、路上禁煙地区の指定やその運用に当たりましては、指定地区及びその周辺にお住まいの方や事業者のご理解とご協力が不可欠でございます。地域からも、今度の条例できれいになったとの声も寄せられており、今後広く区民の皆様の声をお聞きし、生活安全協議会の意見も踏まえ、慎重に検討を進めてまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(宮原良人議員) 土木担当部長。      〔土木担当部長(原島昭治)登壇〕 ◎土木担当部長(原島昭治) 私からは、道路の安全対策と公園に関するご質問にお答えをいたします。  まず、生活道路の安全対策についてのお尋ねですが、区では、交通安全の確保には、警察、道路管理者、地域住民、区による連携と協働が欠かせないものと考え、取り組んでおります。  生活道路の安全確保につきましては、歩道や信号機の設置など、地域の実情に合った安全環境の整備に努めておりますが、最近では、ご指摘のような状況も起きておりますので、さらに警察、道路管理者、地域住民、区によります連携と協働を密にし、安全の確保に取り組んでまいりたいと存じます。  次に、公園への犬の立ち入りについてのお尋ねですが、区では昨年十月から、ご指摘の四公園で、マナーを守ることを条件に、公園への犬の立ち入りを試行実施しておるところでございます。これまで多くの方に犬を連れて公園をご利用いただきましたが、飼い主の一部には、引き綱を解いたり、ふんの始末をきちんとしなかったり、マナーの悪さが見受けられ、飼い主のマナー厳守をより一層周知徹底することが必要であると考えております。  一方、犬を連れての公園の利用に対するご要望は、依然根強いものがございます。区といたしましては、今後こうした試行実施の状況を踏まえまして、これらの四公園について、犬の立ち入りの本格実施を検討してまいりたいと存じます。  次に、ドッグランについてのお尋ねですが、人と犬の共生の観点から、ドッグランの設置について多くの区民の皆様からご要望をいただいております。区立公園での設置は、規模の点から難しい面もございますが、都立公園でのドッグラン設置の可能性については、今後、東京都と連携して研究してまいりたいと存じます。  以上でございます。 ○副議長(宮原良人議員) 杉並保健所長。      〔杉並保健所長(大倉慶子)登壇〕 ◎杉並保健所長(大倉慶子) 私からは、救急医療、それから食の安全、動物関係の三分野のご質問についてお答えしたいと思います。  まず、救急医療の情報管理センターについてのお尋ねでございますが、区内の救急指定病院などの情報をきめ細かく収集し、区民に対して提供していく仕組みをつくることは、杉並区独自の救命救急体制を構築していく上で極めて重要であると認識しております。現在、検討をお願いしている救急医療システム検討専門家会議におきましても、この点は重要な検討課題の一つとなっており、会議の提言を受けた上で、その内容の実現に努めてまいりたいと存じます。  次に、食の安全に関するリスクコミュニケーションのこれまでの取り組みの評価と今後の進め方についてのお尋ねですが、消費者、事業者、行政との意見交換会、消費者グループ連絡会、また、ファロにおける食の安全に関する討論会などで意見交換を行っており、参加者から高い評価もいただきました。さらに、区民の意見をもとに、適正な食品の表示についての実態調査も行い、その取り組みは、先ほど議員もご紹介していただきましたが、先進事例として、国のシンポジウムでも紹介されました。  今後は、監視指導計画の公表も予定しており、さらに消費者、事業者、行政との共通認識を深めて、施策に反映していきたいと考えております。  次に、食の安全に取り組むため、関係部署が全庁的に連携をとることが必要ではないかとのお尋ねでございますが、食の安全対策を、生産から消費に至るすべての段階で連携を図り、総合的に施策を進めることが大切と考えております。  そこで、保健所では、消費者活動を所管する消費生活課と連携しながら、消費者グループ連絡会などにおいて、食の安全にかかわる意見交換を行っております。今後、食の生産に関与する経済勤労課などの関連課とも連携を強化していきたいと考えております。  また、食の安全に関する討論会では、区の関係部署だけではなく、国の農政事務所も加わりましたが、今後さらに連携体制を強化していきたいと考えております。  次に、東京都食品安全基本条例案における自主回収報告制度では、届け出先を区の窓口にするように都に働きかけるべきではないかとのお尋ねですが、この制度は、食品事業者が自主回収に着手したときに知事への報告を義務化し、公表する仕組みです。これによって、違反食品を適切に市場から排除することにつながります。区でも、都区の適切な役割分担が必要と考えており、十月に都区で検討プロジェクトを設置しましたので、自主回収報告制度の窓口については区を窓口とするなど、適切な要請をしてまいりたいと考えております。  次に、飼い主のいない猫対策では、猫の個体識別とあわせて取り組むべきではないかとのお尋ねですが、飼い主のいない猫については、解決しがたい苦情が多いため、本年、関係者で杉並区動物対策連絡会を立ち上げて検討してきました。その提言では、地域で適切なルールづくりができる場合は、不妊・去勢手術などにより段階的に猫の数を減らしながら、共生の道を探る必要があるというふうに考えております。そこで、区は、適切な活動を支援することにより、住みよい住環境を構築する方策を検討してまいります。  また、飼い猫には、飼い主に責任ある飼育をしていただくため、首輪やマイクロチップスなど個体識別のできる身元表示を啓発していきたいと考えております。  次に、狂犬病予防の集合注射についてでございますが、屋外の集合注射を動物病院で行うようにすべきではないかというお尋ねでございましたが、確かに動物病院で注射をする場合は、犬の健康状態を見ながらゆとりを持って衛生的に実施でき、天候にも左右されないなど、有意義であると考えております。ただし、区民の利便も考慮すると、注射済票を発行することや、それから犬の登録などの事務手続も同じ場所でできる必要があり、また、手数料の徴収なども問題があるため、この件に関しましては、獣医師会と検討を継続していきたいというふうに考えております。  私からは以上でございます。 ○副議長(宮原良人議員) 建築担当部長。      〔建築担当部長(鳥山千尋)登壇〕 ◎建築担当部長(鳥山千尋) 私から、富士見ケ丘駅前斎場建設についてのお尋ねにお答えいたします。  まず、現状でございますが、事業主は斎場の設置に関する指導要綱を受け入れないとしたまま、区及び近隣住民との十分な話し合いを行わずに、近く既存建物の解体工事に踏み切ろうとしております。そこで、区は事業主に対し、そうした考え方を改め、工事着手前に話し合いを行うことを強く申し入れております。  また、今後の見通しですが、施工会社が工事に先立つ諸届等の準備を進めており、いつ解体工事に着手するか予断を許さない状況となっております。そのため、現在、区といたしましては、工事が強行された際の緊急対応などを検討しているところでございます。  以上でございます。 ○副議長(宮原良人議員) 都市整備部長。      〔都市整備部長(菱山栄二)登壇〕 ◎都市整備部長(菱山栄二) 私からは、富士見ケ丘駅周辺の整備に関する残りのご質問にお答えいたします。  駅前周辺は、自転車駐輪場の確保や踏切での交通安全対策などの観点から、今後整備を図っていく必要があると認識してございます。区といたしましては、地域住民の皆さんのご意見やご要望を踏まえ、今後の富士見ケ丘周辺のまちづくりに努めてまいりたいと存じます。  また、駅舎のバリアフリー化につきましては、交通バリアフリー基本構想を策定する過程で、京王電鉄側の計画を把握してございますが、今後改めて要望してまいりたいと存じます。  以上でございます。 ○副議長(宮原良人議員) 教育長。      〔教育長(納冨善朗)登壇〕 ◎教育長(納冨善朗) 私から、学校飼育動物との触れ合い授業についてのお尋ねにお答え申し上げます。  今年度、教員対象の小動物に関する研修会の中で、区内の獣医師の先生を講師としてお招きをし、小学校二年生が実際にウサギや鶏を抱きながら、扱い方や動物の特徴などについて指導をしていただきました。子どもたちからは、小動物の命を実感した感想が数多く寄せられておりまして、この取り組みが命を尊重する豊かな心の育成に効果を上げているというぐあいに評価をしております。他校の教員から、ぜひ実施をしたいという要望も出されております。  また、小学校の授業を観察していまして、子どもたちは、本物の体験の中で感動を覚えたり、知識面だけでなくて、情操面でも多くのことを学ぶということを実感しておりますので、今後、獣医師会の協力をいただきながら、希望する学校が行えるように働きかけてまいりたいと考えています。  なお、獣医師に限らず、区内にはさまざまな分野の専門家が多数おられますので、教育活動におきましても、積極的にこの方々との連携を強化してまいりたいというぐあいに考えています。  以上でございます。 ○副議長(宮原良人議員) 三十三番原口昭人議員。      〔三十三番(原口昭人議員)登壇〕 ◆三十三番(原口昭人議員) 日本共産党の原口昭人でございます。日本共産党杉並区議団を代表して質問いたします。  まず、消費税等増税についてお聞きするものであります。  今、国民の暮らしは大変になっています。暮らしを支える社会保障を見てみますと、医療、介護、年金、雇用保険など、負担は増やしても給付は減らすというものでした。国民への負担増と給付減は、合計二兆七千億円にも上ります。
     医療で見ますと、昨年十月から、七十歳以上のお年寄りの患者負担を値上げしました。さらに、ことし四月からは、健康保険本人の患者負担を二割から三割に引き上げ、保険料も値上げしました。介護でも保険料引き上げであります。年金では、お年寄りの年金額を〇・九%引き下げました。雇用保険では、昨年十月から保険料を月収の一・四%に値上げしました。さらに、失業手当の給付額や給付日数も減らしました。  税金を見てみますと、大企業には一兆三千億円の減税、庶民には一兆七千億円の増税となりました。お酒とたばこの税金が引き上げられたと思いましたら、来年からは配偶者特別控除の廃止、中小業者の営業と家計を直撃します消費税の免税点引き下げ、これなどが庶民に押しつけられます。この所得税の配偶者特別控除の廃止では、約一千二百万人、額にして七千三百億円であります。一人当たり年間約六万円の増税となります。杉並区民に与えます影響を試算しますと、約二十六億円、大変な増税であります。  一方、大企業には、二〇〇三年度では、税制改正で、大企業向けの研究開発費などの減税や、産業再生法、これは、企業がリストラをすれば一人当たり九十万円という減税をするものであります。まさに国民にとっては負担増に継ぐ負担増であります。  ところが、長引く不況と増税にあえぐ国民の暮らしをさらに落ち込ませる消費税の増税を初めとする税制改革がマスコミをにぎわし始めました。ことしの初めには、財界の総本山であります日本経団連から、消費税を二〇〇七年には一〇%に、将来的には一八%にも引き上げよう、そして企業の税金は引き下げよう、これらを進める政治家や団体には献金をする、こう打ち出しました。献金額は、最近の発表では四十億円とも言われております。この企業献金の再開であります。それに乗ってきたのが自民党であり、民主党であります。  しかし、社会保障や年金などの財源に消費税を増税しなくても、財源は、むだな公共事業などを削り、世界第二位となりました軍事費を減らせば、十分にあります。近代民主主義におきます税金は、負担能力に応じて負担を求めるいわゆる応能負担であります。これが基本であります。法人税や所得税などの直接税中心、いろいろな収入を合計して課税する総合課税、所得の多い人が適切に多く負担する累進課税、生活費には税金をかけないという生計費非課税など、こうした民主的な税制が今求められています。  そもそも消費税は、所得の低い人ほど重くのしかかる逆進性を本性としております。年収一千五百万円以上の方の消費税の負担率は一・三%、年収二百万円未満の方の消費税の負担率は、四・一%であります。つまり負担というものが一番低い階層に物すごく高く、所得の高い階層には相対的に低くなる、こういうふうになります。このような、消費税は逆進性を持った税金であります。また、価格に転嫁できない中小零細企業の営業と暮らしを破壊する実態を有する税金でもあります。このことについて区長はどのように認識されているか、伺うものであります。  消費税の特例縮小であります免税点の引き下げを見ますと、これはまちのたばこ屋さんにも大きくかぶさってきます。こういう方にまで負担がかかります。来年から消費税の事業者免税点が三千万円から一千万円に引き下げになりますが、このことによって杉並区において影響を受ける事業者数と負担額はどのようになるのか、伺っておきます。  そのような負担がかかってくる後に、今度は、消費税が上がればどうなるのか。一〇%になったとき、年間収入が二百万円未満の皆さんは負担率が八・一八%になります。一千五百万円以上の場合には二・五二%になります。さらに、一六%になりますと、一番低い階層は負担率が何と一三・〇八%、大変なものです。  この消費税は、区民ばかりではありません。区の行政にも大きくかかわってきます。消費税が一〇%に引き上げられたときに、杉並区の消費税負担額はどれほどになるのか、伺っておきます。  これまで消費税が導入され、五%に引き上げられて以来、大変な不況の引き金になりました。区長は、区民の暮らし、営業を破壊する消費税増税に反対し、増税しないように国に申し入れるべきだがどうか、区長の見解を伺うものであります。  次に、富士見ケ丘駅周辺のまちづくりについて伺います。  昨年、杉並区産業の全体像と課題及び対応の方向について調査、分析が行われ、ことしには杉並区産業振興計画が示されました。ここには、長引く不況で苦境に立たされています事業者の姿が見えます。頑張っている商店会もあります。頑張れない商店会もあります。地域差がそこにはあります。しかし、約八五%の商店が、三年前に比べて売り上げが減少した。このうちの半数は三〇%以上の激減となっています。また、区内百四十二商店会のうち約四〇%の商店街が、まさに存立基盤が揺らぐ状況となっています。  そこで、伺うものでありますが、この地域経済の疲弊はどこに原因があると区長は考えるか、お聞きします。  次に、富士見丘商店街は、京王井の頭線富士見ケ丘駅を中心に南北に延びた、構成店舗九十六店の商店街となっています。この商店街では、商店会、町会が一緒になって活性化に努力しております。祭りや盆踊りでも子どもたちの声が響きます。しかし、まちの願いであります車の一時通行止めも、一年にこの二回だけであります。いつもは環八の抜け道として交通が激しく、毎日のように接触事故が発生しております。また銀行も、一店を残し、みんなキャッシュカードコーナーになってしまいました。大変な状況に置かれています。  改めて、富士見丘商店会をどのように見ているのか、また、行政としてどのように位置づけているか、伺うものであります。  また、まちの活性化を図るための商店街イベントの際には、一方通行や一時通行止めなど、行政の支援を求めるものですが、いかがか、伺います。  このような状況の中、今回、商店会、町会、近隣住民の皆さんが、どうしても許せない、そういう問題が持ち上がりました。葬儀場建設計画であります。この葬儀場建設問題は、小泉政権の不良債権早期処理推進計画によって大銀行の統廃合、そしてもうからない支店の廃止が根本にあります。建設予定地は、旧さくら銀行跡地であります。旧さくら銀行は、富士見丘商店会が活気あるときにはさんざんもうけてきました。ところが、長引く不況で商店街が苦しんでいるときには応援せずに、さっさと撤退をしてしまいました。しかも、富士見丘商店街の一等地に葬儀場建設という置き土産をしていきました。これは大銀行の横暴であります。許せません。葬儀場建設は、施行者の株式会社さくら相互が杉並区の斎場設置要綱を認めないと、こう通告しております。そして、地元住民への説明もしないまま、解体作業を十二月一日から開始するというような通告も行ってきました。地元住民の皆さんは、こんな横暴を許すわけにはいかない、このまま工事は進めさせないとの声が広がり、富士見丘の存亡をかけて立ち上がっております。  この葬儀場建設問題について、現状はどうなっているのか、今後、杉並区は住民の立場に立ってどう対応しようとしているのか、お聞きするものであります。  富士見ケ丘周辺のまちづくりについて、何年にもわたる交通問題、新たに発生した葬儀場建設問題などの解決が早急な課題となっています。解決しなければなりません。住民の皆さんの中からも、新たなまちづくりの意見や要望もつくられつつあります。また、ことしの盆踊りや祭りでは、若い皆さんによります南中ソーラン節が踊られ、観客の皆さんからも大きな声援が寄せられるなど、まちづくりの力になろうとしております。残念なことに、このような踊りなどを披露できる広場や施設がありません。地元の皆さんが集える場所が今こそ求められております。  そこで伺います。イベント広場や集会施設なども視野に入れました富士見ケ丘駅周辺のまちづくりを進めるためにも、今後、区はコンサルタントなどの派遣も含め、検討すべきではないか伺って、次の質問に移ります。 ○副議長(宮原良人議員) 原口議員の発言の途中ですが、ここで午後一時まで休憩いたします。                 午前十一時五十四分休憩                      午後一時開議 ○議長(伊田としゆき議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  原口議員の区政一般についての質問を継続いたします。      〔三十三番(原口昭人議員)登壇〕 ◆三十三番(原口昭人議員) 休憩前に引き続きまして、三つ目の質問を行います。  三つ目の質問は、玉川上水、これは史跡指定となりました史跡玉川上水と放射五号線についてであります。  ことし、玉川上水がこの八月に、杉並における文化財保護法に基づきます唯一の国の史跡に指定されました。杉並にとってはすばらしい贈り物であります。改めて文化財保護法を見直してみますと、第一条に「文化財を保存し、且つ、その活用を図り、もつて国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献することを目的とする。」と。第三条には「政府及び地方公共団体は、文化財がわが国の歴史、文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであり、且つ、将来の文化の向上発展の基礎をなすものであることを認識し、その保存が適切に行われるように、周到の注意をもつてこの法律の趣旨の徹底に努めなければならない。」などとなっております。その他条項にも、管理、復旧など厳しく保護をうたっております。  また、この杉並でも、文化財保護審議会、文化財保護指導員を設置しております。指導員は、文化財について随時巡視を行い、並びに所有者その他の関係者に文化財の保護に関する指導及び助言をするとともに、地域住民に対し、文化財保護思想について普及活動を行う、こうなっております。  改めまして、文化財保護法の立場から、この史跡指定されました玉川上水を教育委員会としてはどのような位置づけをもって行っているのか、伺うものであります。杉並区に唯一の国の史跡指定となったこの玉川上水を、教育委員会としては、広く国民に史跡の存在と活用を図ることが求められております。どのような方策を検討しているのか、伺うものであります。  八月二十九日に、東京都環境影響評価条例の規定に基づきます事業者の見解書の内容についての都民の声を聞く会が行われました。そこで出された意見には、東京都の姿勢には都民の意見が全く反映されてないこと、また、国土交通省の交通需要予測が修正され、放射五号線が完成するころには交通量が減少する、そのために玉川上水の自然を壊してまで放射五号線を建設する必要はないではないかという意見もありました。また、環境影響評価書における見解書は、都民から要望しました東京都の新技術指針に基づき行われていない、行うべきだということが出されました。また、五十年、百年を見通して世界に誇る玉川上水を、こういう声が出されました。また、区は、東京都は玉川上水などの地域の環境に配慮し、都市計画変更の手続及び東京都環境影響評価条例に定める環境影響評価の手続を実施している、区としては計画の中止を申し入れるつもりはないと。これは、私の質問に対しまして、玉川上水、放射五号線の見直しを求めたときの答弁であります。  しかし、見解書は、長い間玉川上水を毎日調査している地域の方がギンラン、コバノカモメヅル、ウラシマソウなどという貴重な植物の写真を示しているのに対しまして、調査において確認できなかった、見つからなかった。工事の実施に当たっては、今回実施した現地調査において確認していない種のうち、注目される種に該当する種が皆様からお寄せいただいた情報等により確認できた場合には、緑地帯に移植するなど適切な保全措置を検討していく、こう答弁しています。こんな無責任な、また、いいかげんな調査、対策をしているということは許されません。これまでの住民の皆さんの調査でも、このような貴重な種におきましても、おととしは見つかったが、しかし昨年は見つからなかった、ことしは見つかって花も咲かせてくれた、このような報告がされています。ここには短時間での調査では発見できない、探し切れない、そういうものがこの上水には明らかに生き続けているということであります。今、地球の多くの動植物が消滅し、世界から消え去ろうとしている今、私たち人間の欲求への活動によって、この地球の動物や植物を消滅させていいものでしょうか。住民の皆さんや学者、研究者の皆さんが懸念を表明していることをしっかりと受けとめる、このことが求められています。強引に進めるべきではありません。  杉並区長もA、B、C、三案以外を求めました。東京都の放射五号線計画の進め方は、住民の声を無視し、アセスメントも古い技術指針を用いるなど、許されません。改めて、次のことを東京都に申し入れるよう求めるものであります。  一つは、東京都に都民の声をしっかりと反映させること。都民が納得のいく環境影響評価を行うこと。そして、五十年、百年後のためにも、放射五号線の必要性そのものから検討すべきである、このことを求めます。  次に、最後になりますけれども、図書館行政について、とりわけ十四館構想の推進を質問いたします。  杉並の図書館の歴史を見てみますと、社会教育の拠点として、一九四七年に東京都立杉並図書館が阿佐谷青年学級内に開設され、五〇年に区立杉並図書館としてスタートしております。その後、関係者や区民の皆さんの活動によりまして今日の十四館構想がつくられて、今日に至っております。  また、今、図書館の中には、新たな施策などを含めて、図書館のIT活用によりますレファレンスサービスが促進され、図書、雑誌の予約が二十四時間対応になった、このことは大変重宝になっています。しかし、NPO・ボランティア等の協働による運営や民間活力の活用などに対します懸念が区民の皆さんからも表明され、また、専門職、司書の配置が十分と言えない状況も指摘されております。平成十五年度個別外部監査の結果に関する報告書では、この十四館構想の妥当性を積極的に認識することはできないとしておりますが、かつて区は、住民の皆さんの要求にこたえるために、図書館サービスが行き届かない地域には、移動図書館たびびと君などを出しておりました。善福寺公園ステーション、また妙法寺ステーションなど、多くの利用がありました。外部監査報告は、歴史的経過も認識しないで、コスト論だけで結果を出している、このことが言えます。行政の企業化は、杉並の文化、図書館本来の業務に対する行政責任を軽視するものと言わざるを得ません。図書館は、本を貸すだけでなく、基本的な機能として、住民に資料や情報を提供するとともに、地域の社会教育の重要な拠点ともなっています。そして、図書館は近くにあるのが一番いいわけであります。文化の薫り高い杉並を示す図書館の充実が今こそ求められております。住民の願いでもあります十四館構想を堅持し、実現するためにも、残り二館を早急に設置するよう求めます。また、司書も増員を図り、図書館行政のさらなる充実を図るよう求めて、私の質問を終わります。 ○議長(伊田としゆき議員) 理事者の答弁を求めます。  区民生活部長。      〔区民生活部長(四居 誠)登壇〕 ◎区民生活部長(四居誠) 私から、消費税に関するご質問にお答えをいたします。  まず、消費税の逆進性についてですが、消費税は所得の多少にかかわらず消費一般に負担を求める税ですので、所得税などの累進性との対比で、そのように言われていると認識しております。  次に、価格転嫁の問題ですが、消費税が中小事業者の経営を破壊する税であるとの認識は持っておりません。  また、消費税法の改正により、杉並区内において新たに納税義務を負う者の見込み数は、個人事業者が三千三百、法人事業者が二千三百の、計五千六百事業者と伺っております。また、杉並区内において新たに納税義務を負う者の納税見込み額については、試算がされておりません。  次に、消費税が一〇%に引き上げられたときの区の負担額のご質問ですが、行政活動は多岐にわたり、その影響額を現時点で正確に積算することは困難ですが、契約に関連して申し上げますと、十四年度の区の契約額は、消費税額も含めおおむね百五十九億円で、そのうち消費税は八億円弱でございましたので、今後も同程度の契約額とすれば、十五億円余の消費税負担額となります。  最後に、国に申し入れるべきだとのご意見でございますが、消費税の税率引き上げにつきましては、この六月に出されました税制調査会の答申の中で、所得に対する逆進性を緩和する観点から、食料品等に対する軽減税率の採用の是非を含めて、将来の検討課題とされております。したがいまして、今後国の動向を見守りたいと存じます。  私から以上でございます。 ○議長(伊田としゆき議員) 地域経済振興担当部長。      〔地域経済振興担当部長(根本信司)登壇〕 ◎地域経済振興担当部長(根本信司) 私からは、所管にかかわる三つのことについてお答えさせていただきます。  初めに、地域経済の疲弊についてのお尋ねでございますが、バブル経済の崩壊後、個人消費の低迷、消費者ニーズの多様化、さらにはデフレ経済下における低価格競争や商店経営者の後継者難などが大きな要因と考えてございます。  次に、富士見丘商店街をどのように見るかとのお尋ねでございますが、先ほど原口議員もお話のありましたように、富士見丘商店街は、井の頭線の富士見ケ丘駅を中心として南北に細長く形成されてございます。まちの中心として機能いたしており、良好で、かつまとまりのある商店街と認識しております。  最後に、商店街で行うイベント等の開催についてのお尋ねにお答えします。  開催時における交通規制につきましては、イベントの実施に際して、それぞれの商店街が自主的に警察へ依頼しているところでございます。区としても、相談のありました際には、支援をしているところでございます。 ○議長(伊田としゆき議員) 建築担当部長。      〔建築担当部長(鳥山千尋)登壇〕 ◎建築担当部長(鳥山千尋) 私からは、富士見ケ丘駅前斎場建設についてのお尋ねにお答えいたします。  まず、現状でございますが、事業主は指導要綱を受け入れないとしたまま、区及び近隣住民との十分な話し合いを行わずに、近く既存建物の解体工事に踏み切ろうとしております。そこで、区は、事業主に対しまして、そうした考え方を改め、工事着手前に話し合いを行うことを強く申し入れております。  また、今後の対応でございますが、施工会社が工事に先立つ諸届け出等の準備を進めており、いつ解体工事に着手するか予断を許さない状況となってございます。そこで、区といたしましては、引き続き事業主に対し、住民との話し合いを求めることとあわせ、工事が強行された際の緊急対応などを検討しているところでございます。  以上でございます。 ○議長(伊田としゆき議員) 都市整備部長。      〔都市整備部長(菱山栄二)登壇〕 ◎都市整備部長(菱山栄二) 私からは、富士見ケ丘周辺まちづくりと玉川上水、放射五号線に関するご質問のうち、所管に関する事項にお答えいたします。  まず、富士見ケ丘周辺地区へのまちづくりコンサルタント派遣についてのお尋ねですが、まちづくりについて区民の自主的活動を支援するという観点から、申し出があれば、区のまちづくり支援要綱に基づいて派遣を検討してまいります。  次に、放射五号線についてのお尋ねですが、現在、放射五号線にかかわる都市計画変更案につきましては、東京都からの意見照会を受けて、十月十四日に開催されました第百二十四回杉並区都市計画審議会で諮問を行い、次回十二月十九日の都市計画審議会において答申をいただく予定になってございます。  区といたしましては、この答申を踏まえ、都市計画法第十八条に基づく区の意見を都に提出していくこととしてございますので、ご指摘のような申し入れを都に行う考えはございません。  以上でございます。 ○議長(伊田としゆき議員) 教育委員会事務局次長。      〔教育委員会事務局次長(佐藤博継)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(佐藤博継) 私からは、玉川上水の文化的活用についてのご質問にお答えいたします。  教育委員会では、従来から、玉川上水を近世の杉並の歴史を理解する上で欠かすことのできない歴史的遺産として位置づけ、その価値を広く区民に紹介してきたところでございます。今回国の史跡に指定されましたので、より一層の周知、啓発を図るため、案内表示板の増設や史跡散歩コースの設定等を計画しております。また、東京都や流域関係区市とも連携し、さまざまな文化的活用を行ってまいりたいと考えております。  私からは以上です。 ○議長(伊田としゆき議員) 中央図書館長。      〔中央図書館長(倉田征壽)登壇〕 ◎中央図書館長(倉田征壽) 私から、図書館にかかわるご質問にお答えします。  初めに、十四館構想についてのお尋ねでございますが、図書館の設置につきましては、杉並区基本計画、実施計画に基づき整備していく所存でございます。  司書を増やし、図書館行政の充実を求めるお尋ねでございますが、現在図書館では、司書講習を受講し、司書資格を取得する制度を設けており、司書資格者の増員を図っております。  私からは以上でございます。 ○議長(伊田としゆき議員) 三十三番原口昭人議員。      〔三十三番(原口昭人議員)登壇〕 ◆三十三番(原口昭人議員) 幾つかお答えいただきましたけれども、余り具体性のない答弁となりました。  まず、消費税についてでありますけれども、この消費税が本当にこれから一〇%あるいは一六%になったときにどういう影響を及ぼすのかという点をもって、私は、消費税増税を、区民の暮らしを守るためにも申し入れるべきではないかと言いました。しかし、今の区の姿勢については、消費税増税についての明確な答弁がありませんでした。消費税が本当に、今の五%に引き上げられた、そしてまた引き上げたのを機に、その後大変な不況に陥ってきた、これがこの間の経過であります。今の不況の中で、先ほどの答弁にありましたけれども、消費が伸びない、だから商店街が疲弊しているんだという原因の一つに出されました。消費税がこれ以上上がったらますます消費が伸びない、落ち込んでいく、これは明らかであります。改めて、区民の暮らしを守るという点からも、消費税の増税を認めない、このことをはっきりと申し入れるべきだというふうに考えます。このことをもう一遍改めてお聞きしておきます。  それから、消費税の免税点制度、この適用の問題でも、見込みが計算できないというような形でありましたけれども、消費税の免税点の引き下げによって、約九兆四千八百九十億円というのが概略で出されております。これを杉並区の人口だというような簡単な数字で割ってみますと、大変な額になるわけなんです。これは、杉並区管内の税務署の十四年度の消費税徴収決定額というのを類推しますと、約四百二十億円になってきます。このような大変な額の中で、特例縮小による影響が約二十八億円、このような大変な負担になってくるんです。この上に消費税の増税だということを改めて、私は、杉並区として消費税増税を認めない、増税に反対するということを求めていきます。  それから、もう一点聞きますけれども、放射五号線についても、今の状況というのは、本当に私たちの子どもたちの将来、五十年後、百年後、まさに歴史を残す、そういう玉川上水のあり方、その調査、こんなずさんな形での許さないということを改めて区として申し入れるべきではないかと私は思っています。そしてまた、住民の皆さんも思っています。このことを改めて伺いまして、私の再質問とさせていただきます。 ○議長(伊田としゆき議員) 理事者の答弁を求めます。  区民生活部長。      〔区民生活部長(四居 誠)登壇〕 ◎区民生活部長(四居誠) 私から、消費税に関する再度のご質問にお答えをいたします。  国へ申し入れるべきだということでございますけれども、これにつきましては、先ほどご答弁申し上げたとおりでございまして、今後の国の動向を見守りたいと存じます。  また、区内の、三千万円から一千万円に基準、免税点制度が変わるということに伴っての影響額でございますが、二十八億円というご指摘がございましたが、それにつきましては、全国的にどの程度上がるのかという見方が、多分二十八億円というのは赤旗に報道された金額をベースにされてご試算なさったものというふうに存じますけれども、財務省の見込み額等とはまた違っておりまして、私ども正確な積算はしていないというふうに申し上げたところでございます。  以上でございます。 ○議長(伊田としゆき議員) 都市整備部長。      〔都市整備部長(菱山栄二)登壇〕 ◎都市整備部長(菱山栄二) 放射五号線についての再度のお尋ねにお答えいたします。  先ほどもご答弁いたしましたように、現在区に参っておりますのは、都市計画変更案についての区の考え方を問うものでございます。調査につきましては既に実施され、また、都知事の見解書も出されてございます。  都市計画変更につきましては、先ほど申し上げましたように、都市計画審議会においてこれを諮問し、また先般は、都市計画審議会の委員の皆様に現地を視察をいただいたところでございます。こうしたことを踏まえまして、次回の都市計画審議会において答申をいただき、それらを反映した上で、区の考え方をまとめてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○議長(伊田としゆき議員) 四番田中朝子議員。      〔四番(田中朝子議員)登壇〕
    ◆四番(田中朝子議員) 私は、杉並・生活者ネットワーク区議団の一員としまして、一、障害者への理解と安全な地域生活の支援について、二、さざんかねっとについて、以上二点、質問いたします。  まず初めに、障害者への理解と安全な地域生活の支援についてお尋ねします。  ことし四月から、障害者福祉の分野は支援費制度が始まり、措置から契約に基づく福祉サービスに大きく変わりました。自己選択、自己決定のもと、障害者の主体性が高まるとともに選択の場も広がり、特にホームヘルプサービスを初めとする地域生活支援のサービスが拡充されました。また、昨年末国から出された障害者基本計画においても、施設から地域生活への移行が示され、ノーマライゼーションの理念のもと、当区においても、障害者の地域での自立生活の実現を目指す施策が展開され、同時に支援体制の強化も求められています。  どんな障害を持っていても、地域で安心して自立して普通に暮らしたい、これが障害者の方たちの共通した願いではないでしょうか。しかし、実際は、判断力の不十分な知的障害や発達障害のある人が、暴力や悪質商法など犯罪の被害者になったり、事故やトラブルに遭うケースが増えています。ところが、被害に遭っても、コミュニケーションを図るのが苦手なために、助けを求めたり、だれかに訴えることができずにいることが多く、社会ではこのことが余り知られていません。判断力の不十分な知的障害や発達障害のある人は、なぜ、どのような被害に遭っているのか、そしてどうすれば地域の中でその人たちを守り、被害から救うことができるのか、このような観点から、以下質問いたします。  ことし四月に発表された国民生活センターの調査によると、判断力の不十分な障害者などをねらった悪質な消費者被害の増加が明らかになっています。国民生活センターと全国の消費者センターに寄せられた知的障害者、精神障害者、痴呆性高齢者等が契約当事者である相談は、一九九七年度は二千八十二件でしたが、二〇〇一年度は五千三百三十六件と、五年間に二・六倍に増えている状況です。区としては、この調査結果をどのように把握しているのか、お伺いします。  当区における消費者相談の状況及びここ数年の推移と相談内容の傾向をお伺いします。  判断力の不十分な障害者などをねらった消費者被害の特徴として、業者が消費者の障害を知った上で販売している悪質な点が挙げられます。二十歳代、三十歳代では、クレジットカードをつくらされ、障害者手当や年金などをねらわれる、また、サラ金利用を促され多重債務に陥るなどのケースが多く、四十代以上は、訪問販売による高額なふとん購入が多くなっていますが、いずれも断われない、わからない等の理由から、何度も契約を強いられている例も少なくありません。当区での判断力が不十分な障害者等からの相談内容はいかがでしょうか。ここ数年の相談件数の推移と、それらをどのように分析しているのか、お尋ねします。また、寄せられた相談に対し、どのような対応、検討をしているのかもあわせてお伺いします。  さらに、障害者本人は、これらの悪質商法の被害に遭っても、どう対応すればよいのかわからず、犯罪被害を受けたという認識もないことが多いため、被害の潜在化が顕著です。このような悪質商法被害に限らず、障害者の消費者契約にかかわる被害の未然防止、救済システムの充実が、当区でも図られなければならないと考えます。また、消費者センターだけではなく、保健福祉部とも連携して、未然防止、救済に取り組むことが必要と考えますが、いかがでしょうか。  次に、障害者の権利擁護の体制について、二点伺います。  当区では、一昨年の十月に杉並福祉サービス支援センター(あんしんサポート)を設置し、権利擁護体制を充実させてきました。このセンターでは、相談事業のほかに、地域福祉権利擁護事業と成年後見制度の、大きく分けて二つの事業を取り扱っていますが、それぞれの事業の実績をお伺いします。  この二つの事業は、障害者自ら利用を希望するよりも、周囲の人がその必要性に気づくことが多く、福祉だけではなく、医療、教育、消費者相談など、さまざまな機関や区民がこの事業を認識し、普及させていかなければなりません。しかし、東京都全体の実績も低く、もっと利用されてもいいはずと考えますが、区としてはこの問題点は何ととらえているのでしょうか。被害の状況によっては、これらの二つの制度を有効に利用することが求められます。十分に機能させるために、より使いやすい制度にするための工夫、制度の周知などが必要と考えますが、どのように認識しているのかをお尋ねします。  次に、障害への理解を深める取り組みの観点から、三点お尋ねします。  悪質商法の被害だけではなく、残念ながら、障害者への理解不足から起こるトラブルや事件は後を絶ちません。放火事件があると、まず知的障害者が容疑者としてリストアップされる、恐喝や詐欺、レイプなどの被害に遭っても、警察などでうまく答えられないために、逆に厳しく取り調べを受ける、挙動不審者に間違われ通報されてしまうなど、障害への理解がないために適切な対応がされないトラブルや事件が数多くあります。当区でも同様と思われますが、具体的にどのような事例があるのか、伺います。  また、トラブルや被害を受けた障害者本人、または保護者の要望や意見はどのようなものがあるのでしょうか。また、それらの要望や意見に対し、どのような対応、対策をしているのかもあわせてお伺いします。  知的障害や発達障害の方たちは、従来、教育の場でも成人後の生活の場でも、どちらかというと、隔離された環境に置かれてきました。そのため、地域の住民が日常生活の場面で障害者と接することが少なく、いざ彼らと直面すると、知識も経験も理解もないため、どのように対応してよいのかわからず、避けてしまったり、困っているときも無視してしまったりというのが実情ではないでしょうか。これからは、障害者の施設から地域生活への移行が推進されますが、障害者施策ではトップクラスと言われる当区でも、その受け皿となるべき地域での障害者への理解は進んでいるとは言いがたいと感じています。先日行われた障害者区議会でも、自分たちの障害を理解してほしいという意見が多くありましたが、このことを区としてどのように受けとめ、また、地域における障害者への理解を広めるためにどのような取り組みをしているのか、お伺いします。  障害者が地域社会で暮らすということは、私たちと同じように、警察、消防、電車・バス等の交通機関、商店街、コンビニなど、生活に欠かせない社会資源の仕組みに組み込まれることです。しかし、バスで乗車拒否に遭った、交番に保護され、警察官に、このような人をまちに出すこと自体が問題などと言われた、障害者割引や愛の手帳の扱いがわかってもらえないなど、そういった声も多く、障害者がかかわる機会の多いこのような公共の場でこそ、トラブルが多く起こっています。また、自宅が火事になり、一たん助け出された障害者が、恐怖感から、一番安心できる自分の部屋へ戻りたい一心で燃え盛る中に飛び込み、焼死したという悲惨な例もあります。  当区では、災害時の地域の助け合いネットワーク制度を設けていますが、より有効に生かすには、こういった障害への知識も必要になると思われます。安全な地域生活は、福祉や家族だけでは支え切れません。トラブル、事件、犯罪に巻き込まれないような予防、素早い救済のための地域のセーフティーネットが必要です。そのために、公共の場で障害者のかかわる機会の多い警察、電車・バス等の交通機関、商店街やコンビニなどに障害への理解を得ることはとても有効と考えます。例えば、障害者への相談事業を行っている地域のNPO団体等による障害への理解の研修などをこれらの機関とコーディネートすることも、具体策として有効と考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。  この項の最後に、子どもたちへの障害理解を深める取り組みについて、二点お尋ねします。  現在進められつつある特別支援教育の流れの中、子どものころから障害者への理解を深めていくことも大切です。現在、当区の教育の現場や児童館、学童クラブでは、障害者への理解のためにどのようなことが取り組まれているのか、伺います。  他の自治体での取り組みですが、小学校の総合的な学習の中で、知的障害児の保護者が中心になって、言葉が伝わらない体験、物が見えにくい体験、作業のしにくい体験で、まず子どもたちに障害の状態や不自由さを感じてもらい、その後に自閉症やダウン症について話をするという取り組みが行われています。障害児に対して何か変だから避けていたという子どもたちが、皆真剣に最後まで話を聞き、障害への理解をし、一緒に助け合い、友達になろうという気持ちの変化が顕著で、ノーマライゼーションの土壌づくりに大きな効果があると言えます。  当区でも、土曜日学校や総合的な学習の時間の中で、あるいは児童館や学童クラブのプログラムで、このようなNPOや当事者団体を講師として理解教育を深め、進めることが有効と考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。  商売繁盛の福の神、仙台四郎のことをご存じの方も多いのではないでしょうか。仙台四郎は、幕末から明治にかけて東北の仙台に実在した人です。彼は知的障害者でしたが、彼の訪れる店は必ず繁盛し、家族も幸せになることから、商売繁盛の福の神と言われるようになりました。しかし、このことは、裏を返せば、知的障害者を理解し、分け隔てなく受け入れた温かな店だったからこそ繁盛したのだと言えるのではないでしょうか。  グループホームの整備、雇用支援など、障害者の地域での自立生活支援の施策は、当区においてもさまざまな計画がありますが、そのすべてに地域の理解がなければ、仕組みをつくっただけになりかねません。杉並が本当の意味で障害者にとってトップクラスと言える自治体になるよう強く願いまして、次の質問に移ります。  大きな二つ目として、公共施設予約システム、さざんかねっとについてお尋ねします。  九月から、自宅からでも区の施設予約申し込みができるさざんかねっとが始まりました。施設予約のIT化は以前から要望が高かったとのことですが、電子区役所の構築を目指す中、ITを活用した新しい顧客志向の行政サービスとしては、便利になったとの評判もあり、大変評価するところです。  しかし、実際にこのシステムを利用してみますと、数々の問題点があると感じました。例えば、インターネットや自動音声にもかかわらず、二十四時間対応ではない。SSLという暗号化技術を使っているにもかかわらず、サイトのセキュリティー証明で問題が発生した。送信する情報は他人に読まれる可能性があるなどという警告が出ることがある。パスワードを登録しているにもかかわらず、利用者が忘れた際に再発行はしないなど、早急な対応が必要なのではないかと思われるものもあります。このような疑問から、以下、何点か質問いたします。  まず、制度導入の意図はどのようなところにあったのでしょうか、お伺いします。また、導入に際してどのようなことが検討されたのでしょうか。準備経過やシステムの経費をあわせてお伺いします。  現在使われているさざんかねっとのシステムは、世田谷区や大田区とほぼ同じとのことですが、このシステムに決定された根拠は何でしょうか。また、このさざんかねっとの導入後は、幾つの施設が、どのように利用されているのか、伺います。  さざんかねっとは、インターネット、来所してタッチパネルで、自動音声電話での申し込みの三種類の方法があります。それぞれの利用状況と三つの方法の利用割合をお示しください。また、さざんかねっとが始まる前との大きな違いはどのようなところか、お伺いします。  開始後三カ月たちましたが、使いづらいとの声も聞きます。苦情、トラブルは寄せられているのでしょうか。件数と内容、また、どのような内容のものが多いのか、お伺いします。  このような苦情等は受け付ける体制が重要ですが、どのようになっているのでしょうか。また、苦情に対しどのような対応をしているのか、寄せられた苦情を分類して、それぞれの問題を解決するための対策を講じているのか、あわせてお伺いします。  少なくとも現場での対応については即座に対応できるよう、システムや操作についての十分な周知が必要と考えますが、いかがでしょうか。  さざんかねっとのアドレスを尋ねたところ、登録しないと教えられないと言われたなど、各地域区民センター等で、登録窓口の担当となる職員の対応が不十分といった声も聞きます。初めて登録する人の最初の窓口の役割はとても重要なはずですが、どのような研修が行われているのか、お伺いします。  開始以降、さざんかねっと利用についての問い合わせ先として、さざんかねっとサポートセンターが期間限定で設置されています。サポートセンターとはどのような性格のものなのでしょうか。その役割や委託先、委託料をあわせてお示しください。  サポートセンターに寄せられている問い合わせ件数、内容を伺います。また、区では、問い合わせについての報告を受けているのでしょうか。それらをどのように分析し、また何らかの対策を考えておいでなのかを、あわせてお尋ねします。  現在のサポートセンターは期間限定で、来年の三月三十一日までとなっていますが、それ以降のサポート体制はどのようにお考えでしょうか。ネット利用者、特に高齢者やネット初心者にとって、サポートセンターはとても重要で、必要なものと言えます。引き続きサポート体制は強化すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。  さざんかねっとで一番驚いたのは、利用時間が朝八時半から夜十一時五十九分までと限られていることです。本来、インターネットや自動音声システムは二十四時間対応であるべきにもかかわらず、時間制限が設けられているのはなぜなのか、理由をお尋ねします。  他の自治体の施設予約システムを見ても、同様に利用時間が限られ、ずっと短いところもありましたが、それより当区が長いからよいといった問題では、もちろんありません。働いている人、若い人などは、深夜にインターネットを利用することが圧倒的に多い中、余りにも現代社会の常識と乖離しているのではないでしょうか。  ちなみに千代田区のシステムは二十四時間対応となっていますが、当区でも、当然ながら二十四時間対応が望ましいと考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。  施設のあき状況などを調べる際、各施設の部屋一つ一つをあけないと利用状況がわからず、非常に手間がかかると言えます。以前、施設ごとに管理していた方法をそのまま持ってきている感なきにしもあらずですが、利用状況の日付検索、施設検索などができるようにし、もっと利用者にとって単純な操作でできるようにするべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。  一部の高齢者等の情報弱者にとっては、普通の電話による申し込みや来所による申し込みが一切できなくなったのは痛手であるという声を多く聞きます。だれもがより便利になるはずのシステムが、逆に新たなバリアをつくることになっては、本末転倒と言わざるを得ません。前出の千代田区や品川区では、インターネット等と窓口や電話での申し込み等を併用しています。高齢者の利用が多いのですから、当区でも再考するか、あるいは、せめて窓口での代行入力を実施することを提案しますが、お考えをお聞かせください。  NPO団体やボランティア団体が、活動の拠点となるべきNPO・ボランティア活動推進センターの部屋を予約するのが難しくなっているという声を聞きます。区として利用状況を把握しているのか、お伺いします。  NPO・ボランティア活動推進センターの部屋はどのような位置づけとなっているのでしょうか。本来は、多目的施設ではなく、NPOやボランティア団体が活動のために利用する目的施設であり、そのための部屋の確保は優先されるべきと考えますが、いかがでしょうか、見解をお伺いします。  ほかにも、抽せん結果がわかるまでの時間がかかり過ぎる、部屋の広さの目安となる定員がわからないなどの細かい問題は幾つかあります。経費的にも決して安いものではないことは十分理解するものですが、こういったさまざまな苦情や意見をできる限り取り入れて、利用者がより使いやすくなるようにシステムを改善していくべきと考えますが、いかがでしょうか、お尋ねします。  さざんかねっとはまだ始まったばかりですが、この杉並区内でさまざまな市民活動や趣味の活動をしている多くの人々にとっては、場を得るための大切な窓口となります。より多くの人に機能的に喜ばれ、また、さまざまな条件の人が利用しやすくなるような温かなシステムになることを願いまして、私の質問を終わります。 ○議長(伊田としゆき議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。      〔区長(山田 宏)登壇〕 ◎区長(山田宏) 私からは、田中議員の質問のうち、障害への理解についてと、障害者が安全な生活を送るための地域のセーフティーネットのご質問についてお答えしたいと思います。  まず、障害に対する理解ですけれども、以前よりは大分理解が進んでいるというふうには思っております。しかし、区内でもいろいろな、区の施策に対しての区民の反応を見ておりますと、まだまだといったところが本当に多いと思います。そういう理解を広めるには一気にはいかないと思いますけれども、区としても、区役所の中で障害者の働く喫茶コーナーてんとう虫とか、展示販売コーナーとか、またいろいろな触れ合いの場の設置とか、障害施設での交流会とか、いろいろ行っておりますし、この間、今ご指摘がありましたように、障害者区議会もそのうちの一つというふうに考えております。  これからどうやって、さらに障害に対しての理解というものを深めるかということは、あらゆる場面で、そういった視点で障害者にも参加をしてもらって、やはり少しずつ進めていくしかないとは思いますけれども、今後とも粘り強く理解をしてもらうようにしていかなきゃいけない。かく言う私も、障害者区議会を通じて直接ご本人からお話をお聞きしながら、まだまだ足らないということを認識したわけでございます。  それから、同じように障害者のための地域のセーフティーネットで、安心して暮らせるために、日常生活上、非常に接点の多い商店とか交通機関、また緊急のときの警察、消防というところにも、やはり障害への理解というものを一層深めてもらわなきゃいけないと思っておりますが、障害者団体もそれぞれその働きかけを各機関に行われているのですけれども、区としても、ご質問のご指摘も踏まえて、各関係機関等の連絡会など、さまざまな機会を通じて情報提供や意見交換を行うとともに、障害者の方が直接、またそういう機関に対してお話ができるという機会もつくっていく必要があるというふうに考えております。  また、支援者への研修につきましては、当面ガイドヘルパー養成研修の中で、障害者への安全対策について学べるような計画を立てますけれども、今後NPOなどの協力も得ていきたいと考えております。  私からは以上です。残余のご質問につきましては、関係部長よりご答弁申し上げます。 ○議長(伊田としゆき議員) 地域経済振興担当部長。      〔地域経済振興担当部長(根本信司)登壇〕 ◎地域経済振興担当部長(根本信司) 私からは、消費者相談に関連してのご質問にお答えします。  まず、消費者相談の全体状況ですが、平成十四年度に四千四百十四件の相談がございました。三年前の平成十一年度の三千六百五件と比較して、二割以上増加しております。相談内容といたしましては、訪問販売と通信販売に関する相談が多く、全体の四割程度を占めております。  次に、判断力の不十分な障害者への対応についてでございますが、国民生活センターの、ここは内容を把握しているところでございます。  当区での相談件数についてですが、相談に際して、必要に応じて障害の有無をお聞きしてはございますけれども、統計的な数値は把握してございません。ただし、精神障害者や知的障害者からの相談件数はわずかという状況です。  高齢者からの相談については、判断能力が不十分と思われる場合がかなり多く見受けられる状況で、屋根や飲料水の検査と称する点検商法、金融商品の販売などの訪問販売の被害が多く見られる状況です。  次に、判断力が不十分な方からの相談への対応でございますが、ご家族やホームヘルパーとご相談をしながら対応しているところでございます。事例によっては、福祉サービス支援センターと連携をとっているところでもございます。  最後に、未然防止の対応策等ですが、被害の防止は重要な課題ととらえております。そのために、高齢者向けのパンフレットを配布したり、障害者や高齢者の団体等の求めに応じて消費生活員を派遣する出前講座を実施しております。今後におきましても、保健福祉部門とも連携をとりながら、充実を図ってまいりたいと考えてございます。 ○議長(伊田としゆき議員) 保健福祉部長。      〔保健福祉部長(小林英雄)登壇〕 ◎保健福祉部長(小林英雄) 私から、障害者の理解をめぐる所管に関するご質問にお答えいたします。  障害者への理解不足によるトラブル等についてのお尋ねですが、消費者被害以外のものといたしましては、職場でコミュニケーションがうまくとれずに疎外されたり、挙動不審と誤解され警察に通報されるなどの事例がございます。  また、区への要望、意見といたしましては、主として問題の早期解決のための支援を求めるものでございます。これらに対しましては、ご本人やご家族から事情をよくお伺いした上で、福祉事務所や障害者施設職員が、警察や権利擁護センターなどと協力しながら、トラブルの解決に努めているところでございますが、田中議員の指摘されたような事例が、必ずしも具体的に区に十分入ってないということも、きょう痛感いたしましたので、今後、何らかの機会を通して、もう少し実情をきちんと把握するように努めていきたいと思います。そしてまた、事件の未然防止に向けまして、障害者への理解を深める啓発に努めてまいりたいと存じます。  次に、障害者の地域福祉権利擁護事業などに関するお尋ねですが、杉並福祉サービス支援センター開設から二年が経過いたしました。この二年間、地域福祉権利擁護事業に関する相談が六百九十五件、成年後見制度に関する相談が六十八件、地域福祉権利擁護事業の契約件数が四件、いずれも障害者の分でございますが、そういった実情でございます。  また、地域福祉権利擁護事業及び成年後見制度の利用実績が低い要因についてですが、単身で暮らす知的障害者がまだ少ないことや、これらの制度がまだ十分に知られていないことなどが挙げられるというふうに思います。特に成年後見制度に関しましては、手続の煩雑さや費用負担の問題がありますので、使いやすい制度となるよう、国に要望してまいりたいと存じます。  制度の周知に関しましては、これまで、障害者団体の懇談会、ケアマネジャーの研修会などでPRに努めてまいりましたが、今後は、区民を対象とした講演会を開催するなど、より効果的なPRに努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 ○議長(伊田としゆき議員) 児童担当部長。      〔児童担当部長(山本宗之)登壇〕 ◎児童担当部長(山本宗之) 私からは、障害者への理解を深めるための教育現場や、児童館、学童クラブでの取り組みについてお答えをさせていただきます。  まず、学校におきましては、杉並区の教育改革アクションプランを受け、障害者との交流や障害者施設の訪問等を通して、ノーマライゼーションを推進しております。  障害者への理解を深めるためには、障害がある人々とかかわる体験が重要であると考え、今年度、教頭会で、NPO法人や社会福祉法人の活用のあり方についての情報提供を行ってございます。  また、児童館、学童クラブにおきましては、障害児と健常児の交流プログラムや、障害者団体等による手話や車いす体験などの実施を通じて、理解や交流を図っているところでございます。ご指摘のとおり、障害者団体等の参加を得てプログラムを実施していくことは、障害者への理解を促していく上で大変有効であるというふうに考えてございます。  私からは以上でございます。 ○議長(伊田としゆき議員) 区民生活部長。      〔区民生活部長(四居 誠)登壇〕 ◎区民生活部長(四居誠) 私から、さざんかねっとに関するご質問にお答えいたします。  まず、導入の経緯等についてですが、このシステムの導入の目的は、利用者からの利用機会の均等化など、申込方法の改善の要望に対してこたえること、及び施設管理の効率化を目指したものです。  導入の検討は、平成十三年十月に庁内組織を立ち上げ、現状の問題点と改善方法及びシステムに求めるべき機能などについて検討いたしました。  システム選定は、複数の企業のパッケージソフトを機能面、価格面から比較検討し、選定しました。  導入の準備としては、十四年十一月のシステム選定の後、カスタマイズ、管理用機器の設置などを行い、十五年六月からは職員への研修などを実施しました。  十四年度における導入経費は約四千六百万円、十五年度はおおむね三千六百万円程度を見込んでございます。  次に、利用状況についてのお尋ねですが、抽せん申し込みの件数で申し上げますと、九月一万三千九百五十五件、十月一万四千六百七十九件で、インターネット等の利用割合は、平均して自宅等のインターネットが八四%、タッチパネル式パソコンが三%、電話応答が一二%、携帯電話が一%程度でございます。  システム導入後の大きな違いとしては、施設のあき情報を個別の施設に問い合わせなくても知ることができるということで、今まで利用の少なかった施設へも利用が広がりつつあるようでございます。  また、苦情につきましては、区政相談課を通して寄せられたさざんかねっと関連につきましては、七月から十月末までで三十件になっております。内容としては、申し込みの期間、件数に関するものや、タッチパネル利用のために施設へ出かける機会が多くなったなど、申し込みが繁雑になったなどでございます。また、サーバー等システム運用に関するトラブルは三件でございます。  こうした苦情につきましては、それぞれご回答申し上げるほか、今後のシステム改善の参考とさせていただいております。  次に、苦情に対する対策についてですが、窓口の取り扱いですぐに対応の可能なもの、予算を措置して対応するもの、苦情、要望を分析し、アンケート結果などを踏まえてシステム修正によって対応するものなどに区分して対応しております。窓口等で即座に対応すべきものについては、具体的な改善の方法の周知が遅れることがないように、細かな指示を含めて迅速に現場に連絡しておりますが、今後なお一層努力してまいりたいと存じます。  また、各区民センターの窓口職員研修についてのお尋ねですが、システム導入に対する説明、研修としては、システム概要及びシステム導入に伴う事務変更に関する説明会を四回、パソコンの操作に関する集合研修を各職員に一回、その他各センターごとに地域活動係の職員が操作説明を行いました。業務の大幅な変更を伴うシステムの導入でしたので、可能な限り現場に混乱が起こらないように準備したつもりでございます。  次に、サポートセンターに関するお尋ねにお答えします。  サポートセンターは、さざんかねっとの運用を委託している企業が、システム導入期の混乱を避けるために用意した電話による利用者の支援制度でございます。委託先はNTTデータ東京SMS株式会社で、委託料は、九月から来年の三月までの七カ月間で九百四十五万円でございます。  問い合わせ応答件数は九月六百十八件、十月三百九十六件で、内容は、操作方法に関するもの、さざんかねっとの運用方法に関するものなどでございます。内容分析については、詳細な報告が委託企業からありますので、窓口での対応や今後のシステム修正に活用する予定です。  また、サポートセンターの今後についてですが、現在の委託によるサポートにつきましては、取扱件数の状況や今後の利用者のシステム利用へのなれなどを考えますと、継続の必要性は少ないものと思われます。今後は、職員のシステムに関する知識、技術も高まりますので、各施設での対応を中心にしていきたいと考えております。  次に、システムの稼働時間などについてのお尋ねにお答えいたします。  システムの二十四時間対応につきましては、現在のシステムが抽せん申し込み、確定予約、あき枠申し込みなどを日付のみで管理しておりますので、それぞれの申し込み開始時間を、日付が変わる時間で実施できるのであれば対応可能と考えられますが、現在のように申込時間を八時三十分と施設の開始時間に合わせる場合に、簡単に対応が可能か検討が必要と考えております。  日付検索や施設検索など、利用者の利便性向上策につきましては、今後の課題と考えております。
     また、高齢者など情報弱者への対応として、窓口申し込みなどを可能にできないかとのお尋ねですが、さざんかねっとの導入は、利用者の利便性の向上として、申し込みを自宅からでもできるようにしたものでございます。  ご指摘の代行入力等を行うためには、本人確認のためのIDとパスワードをお伺いする必要があり、パスワードの管理に関しては、個人情報保護の面から十分な検討が必要でございます。したがって、各施設にタッチパネルパソコンを設置しておりますので、職員がお手伝いをしながら、これをご利用いただくことを中心に対応してまいりたいと存じます。  次に、NPO・ボランティア活動推進センターの会議室についてのお尋ねですが、NPOやボランティア活動のために利用する部屋として、センターが独自に管理運営しております。利用に当たっては、利用月の二月前からの予約を受け付けております。  利用状況につきましては、四半期ごとに状況把握しておりますが、十五年度は、十月までの間で最も利用が多い月が四十八件、月平均で三十五件の利用であり、特に予約が難しくなっている状況はないように聞いております。  なお、フリースペースは予約不要で、いつでもご利用いただけます。  最後に、利用者の意見を取り入れてシステムを改善していくべきとのお尋ねですが、施設利用方法の改善として導入したシステムでございますので、これまでの利用統計データの分析、苦情、要望の内容の吟味及び十二月に実施いたします利用者アンケートの結果を踏まえて、使いやすいシステムづくりに努めてまいりたいと考えております。  私から以上でございます。 ○議長(伊田としゆき議員) 七番とかしきなおみ議員。      〔七番(とかしきなおみ議員)登壇〕 ◆七番(とかしきなおみ議員) 杉並ルネッサンスとしまして、脱焼却・脱埋め立てのまちづくりについて一般質問させていただきます。  なぜ、私たちは可燃ごみ、不燃ごみというようにごみを分別するのでしょうか。私が訪れました欧米の国では、大きく分けて、リサイクルできるものとできないものというように分別はありますが、日本のように焼却を前提としてごみ分別をしているところは、見たことがありません。本当にごみは焼却しないといけないのでしょうか。世界じゅうで大型のごみ焼却施設は二千百カ所余りありますが、その中で日本は千八百五十四カ所もの焼却施設を持っています。驚くべきことに、世界のごみ焼却場の約九割がこの狭い日本の中にあるわけです。この数字を聞いてもおわかりになるように、日本が現在当たり前のように行っているごみを焼却するというのは、世界の中ではかなり特異なごみ処理方法なのです。区としては、この状況を聞いて、焼却についていかがお考えになりますでしょうか。  大型焼却には、四つのリスクがあります。  まず一点目は、リサイクルの芽を摘んでしまうということです。焼却を推し進めていきますと、市民は分別することに意味を見出さなくなり、市民による本格的なリサイクルの芽が育ちにくい土壌をつくってしまいます。  二点目は、二酸化炭素のリスクです。焼却すると、熱によるエネルギー回収ができて効率がよいとされていますが、燃焼させることで置きかえられる電力より、かえって二酸化炭素が発生する可能性があります。アメリカの環境保護庁が行った研究によりますと、一トンの廃棄物を焼却するごとに〇・八トンの二酸化炭素の排出がなされていることがわかりました。現在進められている八百度以上の高温による焼却、ガス化溶融炉、RDFによるごみ発電等は、世界じゅうの多くの国が、地球温暖化防止を定めた京都議定書に反するものであり、早期にこうした方法は改めなければならないという考え方がありますが、区はこれをいかに評価するのでしょうか。  第三点目は、化学物質のリスクです。焼却の問題は、焼却によって生ずる有毒ガスなのです。焼却炉は有毒ガスの約三分の一以上を占めるという報告もあります。重金属は、世界の先進国の中で、今や日本のみ全く規制がありません。その重金属、水銀やカドミウム、鉛などの大きな排出源は焼却炉なのです。  焼却にしても埋め立てにしても、十万種類以上の化学物質を含んだ多くのごみが処理されていることになり、問題を複雑にしています。廃棄物処理にはリスクの全くないものはありません。焼却とは、灰になり、容量が一見少なくなるように見えますが、実態は空気中に埋め立てをしているのと同じことで、熱をかけることにより、排出される灰や水も、焼却炉に入る前の物質より化学物質が濃縮されてしまい、さらに扱いにくいものになってしまいます。ドイツでは焼却灰は核廃棄物と同じ扱いで、地下数千メートルの塩田跡地に廃棄しているほどです。現在の技術に頼る焼却や埋め立てによる廃棄物処理では、有害化学物質のリスクは常について回るわけです。  第四点目は、財政上のリスクです。焼却は、日本ではコストメリットがあるというふうに言われています。しかし、欧米では、今までお話ししましたさまざまなリスクがあるため、焼却はかえって費用がかかると言われています。日本の焼却の状況を分析してみますと、大型焼却炉の規模別一トン当たりの平均事業費は、一日の処理量五十トンと二千トン規模と比較してみましても、大型化してもトン当たり約五千万円前後とほぼ一律になり、焼却場の大型化によるコストダウンは見られなくなります。焼却の大型化のコストメリットは根拠が薄くなるわけです。このような状況を踏まえますと、ごみ処理施設の費用の効率化に疑問が出てくるわけですが、区はこの現実をどのように評価されるでしょうか。  日本では、一九九五年から二〇〇〇年までの実に五年間で、ごみ焼却施設のための国家補助は二十五倍にもはね上がっています。その背景には、もちろんダイオキシン対策があり、国が積極的に大型化、高温焼却炉型に建て替えを推し進め、累計で二兆七千七百二十億円もの税金を今までに投じてしまいました。今や焼却施設の建設が、土木同様、隠れた巨大な公共事業となってしまいました。  さらに興味深いのは、産業タイムズ社のデータを推計したところ、企業別焼却炉、溶融炉の受注実績は、タクマ、荏原製作所、日立造船、三菱重工、川崎重工、日本鋼管などの重厚長大の上位六社が全体の六割を受注している実態が明らかになりました。日本固有の指名競争入札と建設費の六割から八割の国庫補助によって、ごく一部の重厚長大メーカーが焼却主義を推進する構造が見られるという結論に達します。  近い将来、杉並清掃工場の建て替えを検討しなくてはいけない区として、この状況をいかにとらえられ、どのようにしていけばいいか、そのお考えをお伺いいたします。  焼却炉を初めとした施設建設、そしてそれらの依存は、環境汚染、住民不安、自治体の財政圧迫など、深刻な問題を引き起こしています。焼却に伴うこのような問題を、区はどのように考えていますでしょうか。  ごみを焼却して処分する、これは、日本人がごみをごみとして扱っている象徴とも言える行動です。日本人は、ごみは高額な焼却か危険な埋め立てでしか処理できないと信じ込んでいますが、国の廃棄物対策はますます焼却依存へと傾斜しつつあります。世界の状況を見ますと、もう一度冷静にこのごみの扱いを見直すべきではないでしょうか。ごみとは、果たしてそんなに恐ろしいものなのでしょうか。  ここで、現在区が所有しています大型焼却施設の杉並清掃工場について、何点かお伺いしたいと思います。  二十三区の一部事務組合によりますと、竣工後二十五年から三十年の施設は建て替えやプラントの更新の見直しが行われますが、現在、竣工後二十一年目の杉並清掃工場は、今後どのような扱いになると予想されますでしょうか。  焼却炉を建設することで、減らさなくてはいけないごみをもっとつくらなくては施設が維持できないのではという矛盾が生じてくるとも危惧されますが、区は、この点どのようにお考えになりますでしょうか。  昨年七月、私が台湾の焼却場に参りましたところ、国内ではトン当たり五千万円の建設費で売っている日本のメーカーの同じタイプの焼却炉が、台湾では約半分の二千五百万円で建設されていました。  このような不当な内外価格差を避けるために、海外でよく行われているのが、国際競争入札というものです。仮に杉並清掃工場が建て替えになった場合、国際競争入札を阻むものは存在するのでしょうか。私は、焼却というごみ処理方法は勧めませんが、どうしても建て替えるとするならば、公平性のある国際競争入札を導入する価値はあると考えます。  焼却をしていない国では、まず最初に、ごみを資源として定義して扱います。そして、ローテクを駆使してリサイクルをしているのです。焼却とか埋め立てとかは処分の方法であって、ごみの削減や資源化の方法ではありません。  ことしの秋に私が訪れましたカナダのノバスコシア州のハリファックスという町では、脱焼却・脱埋め立てを見事に実現していました。現在、循環型社会の北米のフロントランナーと呼ばれるようにこの町はなっていますけれども、どのようなプロセスを踏んでこの町が育っていったのか、具体的にどんな政策を実行したのか、ここでご紹介したいと思います。  参考までに、ノバスコシア州は約百万人、ハリファックス市は三十六万人の人が住んでいます。  一九八九年、カナダは二〇〇〇年までに埋め立てのごみを五〇%削減するという取り組みを国の目標として掲げました。これを受け、ノバスコシア州では、大型焼却炉をごみの最終処分として市民に提案しましたが、大変な市民の反対運動に遭い、大型焼却炉の建設は断念せざるを得なくなりました。州は、反対した市民にも責任があると、焼却にかわる代替案を市民側に要求しました。これを受け、市民側からは、従来廃棄物として扱われてきたごみを資源として定義づけ、徹底的にリサイクルを行うという提案がなされました。州では市民の声を生かし、脱焼却・脱埋め立てを目標に掲げ、これを実現するために三つのシステム構築を実行に移したのです。  まず一つ目は、デポジット制度です。徹底したリサイクルの開始には、当然財源が必要になります。その財源を確保するためにとられているのが、このデポジット制度です。飲料容器にはすべてデポジットがかけられますが、ハリファックス市のおもしろいところは、私たちが通常知っているデポジットとは少し異なる点があります。  通常のデポジットであれば、百円のところを百十円で売って、容器をその所定の場所に持っていくと十円換金してくれるということになるわけです。ところが、ノバスコシア州は、そこに持っていっても半分の五円しか返してくれないわけです。残りの半分は、州が認定しているRRFBという、まあNPOですね、資金回収基金委員会が徴収してしまいまして、リサイクルのためにこのお金を運用しているのです。  この方法により、二〇〇一年の実績で八三%の飲料容器が回収され、デポジットだけでRRFBに年間二十九億円の収入を生み出しています。環境先進国と言われるドイツでも、市民の方から、分別にこれだけ協力しているのに、なぜごみの税金が高くなるのかと非難を浴びて、その対応に苦慮していましたが、カナダのノバスコシア州は、このハードルを利用者が費用を負担するというデポジットのアレンジで見事に乗り越えていたわけです。  二つ目は、生ごみの堆肥化です。脱焼却を実現するときに着手するべきものは、可燃ごみの中の紙と生ごみの扱いです。ごみの中で七割から八割を占めるのが紙と生ごみ。これさえ処理できれば、脱焼却は可能になるわけです。  参考までに、杉並の場合は可燃ごみの中の三七%が紙類、三二%が生ごみとなります。  ノバスコシア州では、当然、紙と生ごみの処理に着手していきました。生ごみは二週間に一度戸別回収され、堆肥化工場に送り、一年かけて堆肥をつくっていきます。生ごみの堆肥化では、日本の場合、引き取り先に問題があるとか、においの問題があるとか、そういったことで普及できないというふうに言われています。しかし、ノバスコシア州では、この問題も見事に克服していました。できた堆肥は農家や一般家庭にももちろん販売されますが、公共事業や土壌改良など、あちこちで必ず使用するように決められていました。そして、においの問題は、家庭から回収する回収ボックスをいろいろ工夫したり、堆肥工場では減圧したりバイオフィルターを駆使するなど、外に全く悪臭がにおうようなことはありませんでした。堆肥工場で使用している機械は、日本国内でガス化溶融炉の建設を得意としている日本のメーカーのもので、聞きますと、一度も故障もなく、すばらしいと言われてしまいました。  費用の面を見ましても、杉並では、焼却で生ごみを処理するために、トン当たり、何と三万九千円も費用が今かかっています。ところが、ノバスコシア州では、この堆肥化を採用して、杉並の約六分の一、約六千八百円で生ごみの処理をしているわけです。ノバスコシア州の生ごみ回収は、現在事業系までも拡張して、約八五%になっています。  三つ目は、リサイクル可能なごみの回収です。ノバスコシア州では、ごみを四つの分類に分けて回収しています。分別は色によって区別していました。生ごみはグリーンボックスと言われる、害虫を防ぎ水切りのできる特殊なポリ容器。そして、リサイクルできる紙、容器などはブルーバッグへ、乾電池、農薬、ガソリン、ペンキなどの化学物質を多量に含んだごみはレッドバッグへ、その他のリサイクルできないごみをブラックバッグへ分けていきます。日本の自治体の中では、環境に熱心なところは三十種類以上のごみの分別を実践していますけれども、ノバスコシア州の考え方は、リサイクル活動を長く持続していくのは、市民の段階では四つぐらいシンプルに分別して、回収した後に人海戦術でリサイクルできるものを分別するというものでした。  この方針のおかげで、ノバスコシア州は資源の回収、運搬、処理、リサイクル、堆肥化など、ごみ処理にかかわる業務で、地元で三千人もの雇用を生み出していました。  これらの結果、ノバスコシア州ハリファックス市では、リサイクル率が一九九七年、たった三%だったものが、わずか三年後の二〇〇〇年には六〇%に達し、十年以内には八八%になると推計できるというところまで持っていきました。参考までに、杉並区の平成十四年のリサイクル率は一八・八%です。  ここで、杉並区のごみ政策の視点について幾つか質問をいたします。  ノバスコシア州の事例でもおわかりのように、ごみを資源としてとらえるか、廃棄物としてとらえるか、これによってごみ政策の方向性は大きく変わってきます。区は、ごみを今後廃棄物か、そして資源か、どちらにとらえていくおつもりでしょうか。  資源が巡回する社会システムの構築について、現在区の取り組み状況と、区の今後の具体的プランについてお伺いいたします。  自治体がどこまでリサイクルを進めるつもりなのか、そこが明確でなければ、企業の新規参入もリサイクルマーケットの開拓も望めません。リサイクル市場というのは、つくる意思がなければ、決して自然発生的に生まれてくるものではありません。区の計画によりますと、平成二十四年までに区民一人一日当たりのごみ量を四〇%削減するとの目標を掲げていますが、これはどのように実現していこうとお考えなのでしょうか、その具体的なプランをお示しください。  ごみを削減するのは、産業界への働きが当然不可欠になってきます。日本では、残念ながら産業界への働きかけはほとんど行われていませんが、ノバスコシア州では、リサイクルに当たり市民へかなり負荷をかけるので、その分行政も本腰を入れて産業界への協力を訴え、そして実績を残しています。まず行われていましたのが、販売店での廃油の回収、牛乳パックを道端回収するための乳製品製造業からの市町村への支援、家庭で使用された注射器の薬局での回収、そして、これから着手しようとしていたのが、電気製品、蛍光灯、ペンキ、その他家庭内の有害廃棄物についての協定を締結する作業でした。こういった活動を行政自らが積極的に行い、範を示し、民意を高めていく一助にしていたわけです。  製造や消費段階においてごみの発生を予防する政策について、現在の区の取り組み状況と、今後の区の具体的プランについてお伺いいたします。排出者責任の明確化、そして費用負担についても、区の考え方をお聞かせください。  循環を支える経済性を確保するために、ごみの有料化が一つの手として考えられますが、導入に関して、今後区はどのような実施プランをお持ちなのでしょうか。  有料化一つとりましても、世界の都市ではユニークな方法をいろいろとっています。スウェーデンでは、生ごみを自分の家で堆肥化すると、自治体によってはごみの料金を三分の一にしたり半額にしたりしています。オーストラリアでは、リサイクル袋にバーコードをつけて毎週くじがあり、当たった人の袋を調べて、もし正しく分別されていたら、カリブ海の休日とか省エネカーの景品などがもらえるといったボーナス企画をつくっているところもあります。このように、規制やサービスに差をつけ、有料化も、柔軟な価格とボーナス企画を加えるなどのアイデアを必要と考えますが、区のお考えをお示しください。  生ごみの堆肥化は、住民の直接参加により回収方法を工夫でき、経済的に、さらに環境によい方法でリサイクルできます。堆肥化は焼却よりも環境面ですぐれていて、雇用の機会も増やし、長期的にはコストも低く、人気の面でもすぐれていて、市民参加の余地が大いにあるのが特徴です。可燃ごみの四割弱を占める生ごみのリサイクル率を見ますと、ごみ量削減に大きく踏み出すことができます。区の、生ごみに関する現在の取り組みの状況と今後の生ごみの扱いの方針について、お伺いいたします。  ノバスコシア州の事例でもお話ししましたが、脱焼却、リサイクルの徹底により、世界では新たな雇用をもたらす事例が多く見られます。区は、今後、地域産業政策の一環としてリサイクル事業を位置づける考えはないのでしょうか。焼却につぎ込まれていく建設費と施設管理費を使えば、地域の住民に新たな雇用を生み出す可能性が出てくるのです。焼却炉をつくってしまいますと、その可能性すら焼却してしまうということになります。今後のごみ政策において、住民の協力なくしては何も実現できません。行政側からの提案を待つのではなく、積極的に政策提言に加わり、意見を述べ、仕組みをつくり上げていく住民の力が何よりも大切です。ノバスコシア州のリサイクルが成功した一番の要因は、間違いなく市民との協働が得られた結果なわけです。  そこで、区は、ごみ政策への区民の参加をいかに推進しようと考えていますでしょうか、具体的にその考えをお示しください。  住民の参加意欲を高めるためには、日ごろの環境教育が大切になります。ところが、環境教育といいますと、学生が対象と勘違いする人が多く、肝心の大人の環境教育がおざなりになってしまいます。住民のごみ政策への参加を促し、その意欲を持続するのは、教育プログラムの充実が不可欠と考えますけれども、区はどのように考え、これを実行しようとしていますでしょうか。  改革を促すためには、挑戦目標と呼ばれるような野心的な目標を定めなければいけません。ごみを燃やさず埋めず、量全体をゼロに近づけていく脱ごみ宣言、これはゼロ・ウェイストという考え方が今世界の先進的な都市、例えば、今お話ししましたカナダのノバスコシア州、そのほかに、オンタリオ州トロント市、オタワ市、アルベルタ州、アメリカのワシントン州シアトル市、カリフォルニア州サンフランシスコ市、そしてニュージーランドの五〇%以上の自治体でも提唱され始めています。  日本でもこの動きを受け、一昨日の朝日新聞でも大きく取り上げられていましたが、この九月に日本で初めて徳島県の上勝町が、そして十月には滋賀県の志賀町も脱ごみ宣言を二〇二〇年までに実現すると提唱しました。  区は、このような自治体の動きをいかにお考えになりますでしょうか。何事においても先進的な杉並区も、都市部として初めて脱ごみ宣言、ゼロ・ウェイストを検討する予定はないのでしょうか。  質問の最後に、私の意見をまとめて言わせていただきます。私は、一般質問のタイトルにもありますように、脱焼却・脱埋め立てのまちづくりとして、杉並区は脱ごみ宣言を目指して、次の三つのステップを踏んでゴールに向かって歩むべきと考えています。  現在、杉並区の前には二本の道が伸びているわけです。一つは、今までの日本のごみ処理政策をさらに拡大推進することを基本に、中央からの補助金を原動力に大規模なごみ焼却施設をつくり、使う施設重視型の道と、もう一つは、区主導で脱焼却・脱埋め立ての目標を掲げ、地域の特徴に合った政策をつくり上げ、環境への影響が少なく、安価で柔軟な政策を推進するプログラム改善型への道です。  まず、第一ステップとして、区民自身がこちらかこちらか、どちらの道を選ぶかを決めなくてはいけません。遠くない将来に迫ってきた杉並清掃工場の建て替え問題を契機に、区民との対話をこれから始め、ごみ政策のゴールをどこに一体するのか、どの点について協働し合えるのか、徹底的に区民と話し合うことが大切だと思います。従来区が行ってきたような方向性が決まってから慌てて直前に説明会を開くというのではなく、時間をかけてひざを突き合わせ、環境的、社会的に配慮して杉並区として共通のゴールを一体どこに持っていくのか、話し合うべきです。実は、このプロセスが何よりも重要で、このときの過ごし方次第で、将来の活動の根づき方が大きく変わってくると言っても過言ではありません。その結果、脱焼却・脱埋め立てのまちづくりの考え方が区民側から出てくるようになったときに、システムのプランづくりの第二ステップに移行すべきだと思います。あくまでも、これは区民の発意により区民が運営する事業にして、行政はサポートに回り、法整備をしたり産業界に働きかけたり、活動や目標をPRするなど、区民の方々が動きやすいように陰で手助けするということが大切です。区民自身が主役になり、責任を持って自分たちのまちのごみのリサイクルシステムを実現していくのです。  脱ごみ宣言をしたまちでは、リサイクルの三Rを具体的に実践する際の指標として、四Lというものが重視されています。四Lとは、ローカル、地域主導です。ローコスト、低コスト。ローインパクト、低環境負荷。ローテク、最新の技術に頼らない、です。海外の脱焼却・脱埋め立てを実現したまちでは、住民の協力と創意に満ちた政策のアイデアが、新しい市民グループを次々と生んでいます。  そして第三ステップは、ごみゼロに向けての実行です。NPOなどの市民によるリサイクル事業を運営していきます。新しく成長する分野では、供給と需要のアンバランスは当たり前です。これが通常の市場動向ととらえ、地域ぐるみでリサイクル事業を支えていくのです。例えば、老朽化している杉並清掃工場や十年後に廃止が決まっている杉並中継所、先ほど紹介しました四Lのリサイクルの拠点にすることもできるわけです。生ごみの堆肥化工場にしたり、紙のリサイクル工場にしてもよいかもしれません。そしてリサイクルのための費用を、ごみの有料化、このほかに杉並区独自の政策であるレジ袋税などで捻出するという方法もあるわけです。  何かを始めるに当たっては、必ずデメリットが生じますけれども、全部の信号が青になってから渡ろうと思ったのでは、なかなか前へ進むことはできません。革新を促すには、挑戦目標と呼ばれるような野心的な目標設定が大切です。時を大切に、環境的、社会的な目的について共通のゴールを持って一歩ずつでも前進することが、今私たちにできる最良の方法なのです。これこそが真の自立への道につながっていくと私は考えています。  以上で一般質問を終わります。ご答弁の方をよろしくお願いいたします。 ○議長(伊田としゆき議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。      〔区長(山田 宏)登壇〕 ◎区長(山田宏) 私から、とかしき議員の一般質問にご答弁申し上げます。  まず、ごみを今後廃棄物か資源か、どちらと考えていくかというお尋ねがありましたけれども、地球が有限である限り、廃棄物を出し続ければ、人間そのものの生存というものが破壊されていくというのが、やはり二十世紀後半の認識だったと思います。そういう意味では、廃棄物か資源か、どちらと考えるかということになれば、それは当然、資源に限りなく近いものとしてとらえていくのが私も有効だというふうに考えております。  その際、しかし、資源となるかどうかということについては、コストの問題とか、また、それがいかにリサイクルや資源に変わっていくかという、そういうルートの問題等を考えていきますと、杉並区だけでそれが資源となるかということについては、かなり困難な問題もあるんじゃないかというふうに考えております。  それから、ごみの減量目標についてのお尋ねですけれども、杉並区で四〇%という目標を設定していますが、これは、現実的に可能と思われる範囲で最大限高い目標設定を行ったものでございます。現在、区民の皆さんと協働で、過剰包装の抑制など、発生抑制また排出抑制を進めながら、不燃物の分別の徹底や廃プラスチックのリサイクル、可燃物の資源化などの具体化の検討を現在進めているところでございます。その検討を踏まえて、この高い目標に向かって、区としても全力で努力をしていきたいと考えております。  私からは以上でございます。残余のご質問につきましては、関係部長よりご答弁申し上げます。 ○議長(伊田としゆき議員) 環境清掃部長。      〔環境清掃部長(栗田和雄)登壇〕 ◎環境清掃部長(栗田和雄) 私からは、残りのご質問にお答え申し上げます。  まず初めに、清掃工場に関して幾つかのご質問がございましたが、前提といたしまして、できる限りごみの減量、それから再資源化を進めまして、焼却量は最小限にしていく、そういうスタンスをもって仕事を進めているということをご理解いただきたいと思います。  まず、焼却方法についてのお尋ねがございましたが、世界のごみ処理では埋め立ての割合が多いというふうに聞いておりますが、我が国では地理的、文化的条件の違い、とりわけ地理的条件というのが強いかなというふうに思っておりますが、この条件の違いなどにより、現在の焼却による中間処理が進んできたものと考えております。  次に、焼却と京都議定書との関係についてご質問がございましたが、生ごみなどの有機物の焼却につきましては、化石燃料を除く動植物由来の有機性資源、これは二酸化炭素の増減に影響を与えないことから、カーボンニュートラルという考え方がございます。これで、気候変動に関する政府間パネルの指針でも、排出に算入しないこととなっております。  また、化石化合物の焼却はCO2の放出になりますが、他の手段の輸送や処理に使うエネルギー、最終処分場の問題など、総合的な比較検討を行わなければ、評価は難しいと考えております。  次に、焼却施設の大型化についてのお尋ねですが、国は、ダイオキシン類対策などのため、地方の小規模工場を対象に広域処理化を進めておりますが、施設性能対コストの面では有利なものであるというふうに考えております。  次に、焼却施設の建設費用等についてのお尋ねですが、国は、平成九年より、廃棄物焼却に係るダイオキシン削減のための規制を強化いたしまして、そのため、集中的に施設の更新などを行いました。そのため経費を要したものと考えますが、杉並清掃工場の建て替えに当たっては、十分な技術を持つプラントメーカーにより、安全で効率的な施設をつくらなければならないと考えております。  次に、焼却に伴うリスク、何点かございましたが、清掃工場でのごみの焼却では、ダイオキシンなど環境対策に万全を期すために経費のかかる施設となっておりますが、自治体の負担については、国の補助金などが手厚くなっておりまして、一般財源による負担は相対的に軽いものというふうに認識しております。  次に、杉並清掃工場の建て替えについてのお尋ねですが、二十三区内の清掃工場の建て替えにつきましては、区長会の新たな方針が定まりまして、今後、当分の間、清掃一部事務組合が建設を担うことになろうかと存じます。杉並清掃工場につきましては、おおむね今後十年間の間に計画、住民合意形成、アセスメントなどにより、設備更新の準備が進められることになろうかと存じます。  次に、焼却炉の運営についてのお尋ねですが、焼却炉は、ごみの量に応じて運転する炉の数や運転日数を調整したりするもので、焼却炉を維持するためにごみの量を減らすことができないというようなことはないと認識しております。  次に、杉並清掃工場の建て替えについてのお尋ねで、施設建設の国際競争入札が基本的に不可能ということはないと考えております。清掃一部事務組合が発注をするといたしましても、入札参加資格の審査や杉並清掃工場で安定的な稼働に寄与できるかどうか、ふだんのメンテナンスの問題がございますので、こういうような条件を満たす必要があると考えられます。  次に、資源が循環する社会システムの構築についてのお尋ねですが、本年三月に策定いたしました杉並区環境基本計画では、環境先進都市を目指すため、資源循環型の社会を構築するということで幾つかの事業を設定し、今後進めてまいりたいと存じます。  次に、ごみの発生予防策に関連をいたしまして、平成十三年度、十四年度に廃プラスチック分別収集モデル地区調査事業を行いましたが、ペットボトル以外のプラスチック製容器包装のリサイクルについては、資源化実績として資源残渣が五〇%から七〇%というふうに高いということがわかりました。また、リサイクルがしづらい素材が大部分であるというようなことが判明しております。こうした情報を区民、事業者、とりわけ事業者の方々にフィードバックに努め、ごみの発生抑制への協力を求めてまいりたいというふうに思っております。  また、注射針の薬局での回収、これはもうことしから本格実施をしております。  また、今後の具体的なプランといたしましては、商品の簡易包装やばら売りなど、環境意識の高い企業や商店などの取り組み状況を調査いたしまして、区民に発表、公表するなどしてPR活動を進めてまいりたいと思っております。  それから、排出者責任の明確化、費用負担とごみの有料化の導入に関してお尋ねがございましたが、平成十四年七月の清掃審議会の最終答申では、現在の清掃・リサイクル事業は一般財源で運営されているため、ごみを多く出している区民の方と、それから多く出していない、少なく排出をしている区民との間に費用負担の面で不公平さが生じている、将来においてこの不公平を是正するとともに、排出者責任の徹底、ごみ減量の一環として経済的誘導策を活用した新たなごみ減量、リサイクル促進のための仕組みは不可欠としております。こうした基本的な考え方の中で、いわゆる有料化といいましょうか、ごみの排出量に応じた料金徴収の仕組みを調査研究をしていくことになろうかと思っております。これは他の自治体の動き、特に三多摩の動き等を注目していきたいというふうに思っておりますが、その際には、サービスの差や価格等についても検討課題というふうに認識しております。  それから、生ごみのリサイクルに関するお尋ねですが、現在区では、家庭で使用できるコンポスト容器や電気式の生ごみ処理機の助成を行い、その普及に努めております。今後も、利用者への追跡調査や新製品の情報収集を行うなど、家庭における堆肥の利用が確実に図られるよう、生ごみのリサイクルに努めてまいりたいと思っております。  また、区施設から排出される生ごみについても、処理、資源化方式の方法の検討を進め、できるところから生ごみのリサイクルに取り組んでまいります。  不特定多数の区民の家庭から出る生ごみ、これは非常に大量に出てまいるわけですが、この堆肥化については、異物の混入というような問題、これも清掃審議会の中で議論され、指摘をされた問題で、なかなか難しい面がございます。また、お話にございました出口といいましょうか、どうやってそれを活用していくのかというような面もございますので、これらも研究課題かなというふうには思っております。  それから、ごみゼロへの的確な方法に関するお尋ねですが、ご指摘のとおり、平成十四年度に実施をいたしました家庭系ごみ組成分析調査では、資源物の混入が、可燃ごみで三四%、不燃ごみで二八%となっておりまして、これらの資源物がきちんと分別されるのならば、一般廃棄物の三三%が減量が可能だというふうに考えております。また、生ごみは紙類に次いで可燃ごみに含まれ、これがすべて堆肥化されたならば、一般廃棄物の三〇%の減量が可能でございます。  今後も徹底したリサイクルに向けまして、区民意識の向上や生活スタイルの見直しを呼びかけるとともに、先ほど申しました堆肥化についても、今後取り組みを進めてまいりたいと思っております。  それから、リサイクル事業による雇用についてのお尋ねですが、今後資源化を進めるため、リサイクル事業者の支援とともに、NPOなどの育成支援も必要というふうに考えております。  次に、ごみ政策への住民参加についてのお尋ねですが、区民、事業者、行政のパートナーシップに基づくごみの減量を実現していくため、平成十三年度からごみ会議を開催しておりまして、ごみ会議でいただいた提言を極力施策に生かすなど、取り組んでいるところです。  また、今年度新規事業といたしまして、住民発意事業、これも清掃審議会からご提言いただいたものですが、住民発意事業を行っております。これは、ごみの発生抑制や減量のため、区民や事業者の創意工夫により新たな事業を起こすものであり、住民参加という視点からは、大変重要な施策展開になろうかというふうに考えております。  次に、教育プログラムの充実に関するお尋ねですが、小学校や保育園を中心といたしました環境プログラムといたしまして、現在、環境学習用の清掃車、これは愛称をごみぱっくんと呼んでおりますが、このごみぱっくんによるごみ収集の模擬体験やごみ問題についての説明を行っております。  今後は、平成十六年度、来年の四月には仮称環境・リサイクルセンターが開設されますので、こちらの方で、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の区民が、環境問題やごみリサイクルに気軽に、また主体的に取り組めるための場や機会を提供いたしまして、また、NPOやボランティア団体との連携により、教育プログラムを充実してまいりたいと考えております。  最後になりますが、脱ごみ宣言の検討についてでございますが、杉並区は、ごみの資源化など資源環境型社会の形成を目指しておりますが、脱ごみ宣言、ゼロ・ウェイストの中で言うごみを焼却しないということにつきましては、現段階では非常に難しい問題かなというふうに思っておりますが、その方向で最大限の努力をすべきものというふうに考えております。
     以上でございます。 ○議長(伊田としゆき議員) 七番とかしきなおみ議員。      〔七番(とかしきなおみ議員)登壇〕 ◆七番(とかしきなおみ議員) ご答弁ありがとうございました。何点か、ちょっと再質問をさせていただきます。  先ほど区長からご答弁いただきましたように、ごみを杉並区の場合は資源として扱うということで、非常にこれは喜ばしいことなんですが、残念ながら、その思いが政策の面でまだ十分に生きていないというふうに思われるわけです。  例えば、先ほども平成二十四年まで四〇%削減を打ち出す、区としてはこれは非常に高い目標だというふうにおっしゃった割には、まだ内容の点では非常に具体性が低いというふうに感じるわけです。これは、もしかしたら焼却を前提に、焼却をある程度見越した上でごみ排出量の削減を目指しているために、リサイクルシステムが中途半端にしか考えられずに、具体性がなくなってしまっているのではないかというふうにも考えられますけれども、その理由をお示しいただきながら、もう一度詳しいプランの内容をお示しください。  それから、焼却についてもう一度お伺いしたいと思います。  今後、焼却を前提にリサイクルの仕組みを構築するのか、それとも、焼却そのものの是非から論じてリサイクルの仕組みを構築するのか、その辺をもう少し考えを明確にしていただきたいと思います。今、なるべく小型化していってやっていこうというふうにお考えということなんですけれども、先ほどから言いましたように、焼却するという処理の仕方というのは、世界の中ではかなり特異な方法、地域特性というふうにおっしゃいましたけれども、日本だけが国土が狭いわけではありません。狭い国土のところでも、焼却以外の方法でごみ処理をしているところはどこでもあるわけですから、その辺、もう一回リセットボタンを押して、ベースの段階から、本当に焼却が必要なのか必要でないのか、そこから論じる気持ちはないのか、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。  次に、産業界への働きかけについてお伺いいたします。  先ほど、プラスチックのリサイクルのモデル事業ということで、実際残渣が非常に多く出てきまして、非常にリサイクルが難しいのではないかということになりました。このときに、産業界への働きかけをもっと積極的にするべきだということで、私もことしの第一定で申し上げましたけれども、どこのメーカーの商品が、どういった問題を抱えているからリサイクルできないのか、メーカーの名前をしっかりとマスコミを通して発表して、そして企業に働きかける、そういった運動をしてみてはどうかということを提案させていただいたわけです。その後、残念ながら全く動きは見えませんで、そのまま、産業界の方にも働きかけているというふうに今ご答弁いただきましたけれども、まだ形となって実績が出てきていないわけです。ですから、どこのメーカーの、どの商品が、どんな問題点があるのか、それをマスコミを通して発表して、そしてそれが改善なされた場合は、また区として褒めてあげる、こういったキャッチボールをしながら、自治体も産業界に対して積極的に働いていく、こういったことが非常に大切だというふうに思います。自治体といいますのは、やはり現場に一番近いわけです。ですから、その現場に近い、そういったところを生かしながら、こういったキャッチボールをしながら、自治体自らごみを減らしていくという姿勢を区民に示していく、こういったことが私は必要だと思います。  それから、生ごみの異物の混入についてちょっとお話がありましたけれども、実は、この異物の混入も、先ほどから言いましたように、住民の方との対話を長くとる、しっかりと対話をとった自治体というのは、世界の中でも生ごみの異物の混入が非常に低いというふうに言われています。逆に、行政機関の方から強制的に生ごみを回収しますよという命令的にやった場合は、生ごみの中で異物の混入が非常に多いという、そういった状態が見られるわけです。  ということで、結局リサイクル問題は、常に住民の人たちの、市民の人たちの意識がどれだけ育っているか、ここが大きなポイントになってくるわけです。ですから、杉並清掃工場の建て替えを機会に、これを問題として扱って、区民の皆さんと対話をしていくといったことが必要だというふうに考えます。  それから、脱ごみ宣言についてなんですけれども、脱ごみ宣言、ゼロ・ウェイストというふうにいいますと、多くの人が、ごみをゼロにすることが本当に可能なのかという疑問を抱くわけです。しかし、ここで問われるべきは、ゼロ・ウェイストが一〇〇%可能かどうかではなくて、廃棄物処理の袋小路から抜け出して、発生抑制とリサイクルの限界を乗り越えるためにごみをゼロにしようという積極的な考え方を政策の推進役として利用していくのが大切だというふうに考えています。日本が行っている使い捨てという当たり前のようなこの習慣を改めるためにも、こういった民意を高めていく。そして将来、子どもたちのために持続可能な社会をつくるためには、日本が昔行っていました過去の知恵を取り戻す必要があるわけです。そして、そのかなめは、現場に近い住民とのつながりの深い自治体の姿勢にあるというふうに言えます。  ということで、私たちはいつかは取り組まなくてはいけない問題というものを、これを先送りしてしまって、二十年後、そのツケを借金と汚染という形で次の世代に渡してしまうのか、もしくは今の段階でごみの問題に取り組んでいくのか、この選択を迫られているわけです。  ということで、ご答弁の方、よろしくお願いいたします。 ○議長(伊田としゆき議員) 理事者の答弁を求めます。  環境清掃部長。      〔環境清掃部長(栗田和雄)登壇〕 ◎環境清掃部長(栗田和雄) とかしき議員の再質問にお答えいたします。  ごみ減量についての具体策、これが薄いではないかというご指摘がございました。昨年いっぱい処理基本計画の見直しを行いまして、今年度は初年度ということで、当初のスタートから十分なプログラムを用意できればよろしかったんですが、なかなか不十分な点、これは私も十分承知をしてございます。当面一番問題になっておるのが廃プラスチックの問題でございますので、ここ二年間ばかりマテリアルということで再生しようということで取り組んでまいりましたが、これについてはなかなか難しいということで、先ほどご答弁申し上げましたが、これのプラスチックの資源化を一層取り組めるようにということで、来年度違った方向で取り組んでまいりたいというふうに思っています。その他については、できるだけ早急にプログラムをつくってまいりたいというふうに思っております。  次に、ごみの焼却の問題ですが、区長会におきましても、七月に、三区ばかり工場予定用地がございましたが、新たな工場用地は現段階では不必要というような判断で、できるだけ焼却をしない方向にというようなスタンスで今後詰めていきたいというふうに思っています。また、工場の建て替えにおいても、規模の問題等、やはりごみの減量に合わせた考え方で建設、更新等も行っていくことになろうかというふうに思っております。  次に、事業者、メーカーへのフィードバックという指摘がございました。委員会等の中でも、そのような指摘をいただいております。今後できるだけこういうデータを事業者、区民の方々にオープンにしていくということで、事業者と我々行政、区民と協働でごみの減量、また使いやすい製品ということで取り組んでまいりたいというふうに思っております。  それから、生ごみの問題で、異物混入ということでお話をさせていただきましたが、これについても、不特定多数の方に堆肥化ということで呼びかけても、現状ではなかなか難しいのかというふうに思っております。この中でやはり区民発意事業といいましょうか、区民の方々が率先して取り組むという方向をできるだけ進めて取り組んでいければなというふうに思っております。  また、脱ごみ宣言、ゼロ・ウェイストということでお話がございましたが、先ほども答弁いたしましたように、なかなか現状では難しいということで、その中でもやはり我々としてはできる限りごみの減量といいましょうか、区長からも答弁いたしましたが、できるだけ資源という考え方で取り組んでまいりたい、そういう中でできるだけゼロ・ウェイストの考え方に近い方向へ持っていきたいというふうに思っております。  以上でございます。 ○議長(伊田としゆき議員) ここで午後三時二十分まで休憩いたします。                   午後三時〇三分休憩                   午後三時二十分開議 ○議長(伊田としゆき議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  二十三番松浦芳子議員。      〔二十三番(松浦芳子議員)登壇〕 ◆二十三番(松浦芳子議員) 私は、杉並自由無所属区議団の一員として一般質問いたします。  初めに、性教育と環境ホルモンについて、次に、青少年健全育成のための教育環境についての二点、お伺いいたします。  まず、性教育と環境ホルモンについて質問いたします。  私は、ことしの七月に、都立七生養護学校に都議会議員の方々と、行き過ぎた性教育をしている学校の視察とのことで、同行させていただいたことがあります。校長先生初め先生方、都の教育委員会の方々より状況をお聞きし、保健室にて現状を拝見いたしました。保健室の押し入れや棚から、等身大の人形や、模型を使って避妊を練習するための道具や器具がたくさん出てきました。このお人形で子どもたちに何を教えるのですかとの私の質問に、家族の大切さを教えるのですと答えられました。家族の大切さを教えることはとても重要なことです。  ところが、都議の方が洋服を脱がせてみると、男の人形にはシンボルがつくられてあり、女の人形の子宮からは赤ちゃんが出てきました。その他、ストッキングでつくられたリアルな男性性器を見せられたときは、さすがに絶句して、質問も出てきませんでした。そこには管がついており、管の先の注射器を押すと水が出る仕組みになっていたのです。保健室の先生は、養護学校に来る子は、性的にいじめられたり、いたずらをされたりしてくる子もいるので、性教育は教えなければならないとおっしゃり、正しく立派なことを教えているとの認識のもとに教育をなさっているようでした。  確かに、性教育は重要で、きちんと教えるべきですが、教え方によっては、変に興味を持ってしまうのではないでしょうか。人形や器具を使っての教育は、私の目には家族の大切さを教えているとは思えず、大変行き過ぎた性教育に見えました。小さな子どもには命の神秘を教え、四、五年生で大人への準備を教えれば事足りるのではないでしょうか。さらに、その学校でいただいた体の歌の歌詞は、性器を強調している歌でした。小学校の段階では、体の部分を正確な名称で教えることはしておりませんのに、なぜ性器の名称だけを正確に言うことにこだわるのか、理由はわかりませんが、学校の帰りに子どもたちが歌って歩いていれば、そばを通った人はびっくりすることでしょう。この学校の実情は国会でも取り上げられ、小泉首相は、小学生にこんなことを教えていいのかなと思う、私は考え直すべきだと思うと答弁されております。  また、報告では、小学生に極めて特異な家庭での性的虐待のアニメを見せていた学校もあるとのことでしたが、これは、まだ判断力のない児童がお兄さんやお父さんに不潔感を持ち、信頼関係を壊すことにもなりかねません。  横浜の小学校では、すぐキレてしまったり、命を大切にしない子どもたちのために、「いのちの学習」と題して、命の大切さを感じる教育をされています。平成十二年に先生方がつくられたいのちの学習年間計画一覧表は、生命の誕生を教え、かけがえのない命を大切にする気持ちを育て、心と体について教え、食生活の大切さまできちんと考えさせるという立派なものです。ただ、学年ごとの授業内容で、小学校一年生にまで性器の名前を「押さえたい用語」としているところは気になりました。  つい最近の十一月八日に行われた、横浜のその小学校でのいのちの授業では、六年生がグループ発表をしており、まだ幼いかわいい子どもたちが、性行為にはコンドームをつけましょうと呼びかけ、児童買春について、出会い系サイトなどのことを語っています。授業を参観し、この事実を教えてくださったお母様は、一体何事が起こっているのでしょうか、なぜいのちの学習が性教育となるのですかと絶句し、これは全国的に少しずつ広がっているのですと、大変心配されておりました。  都立七生養護学校については、過激な性教育以外にも、実態と異なる学級編制の申請をし、教員を多く配置させたことを初め、教員の不正休暇、勤務時間中の旅行が発覚し、使われていた不適切な性教育教材が廃棄処分になり、前校長ほか教員が処分されました。九月には、都立養護学校の五十一校のうち二十八校で何らかの不正があったということで、学校の管理職、教員、教育委員会関係者、計百十六人の処分人事が発表されております。  命の大切さを感じてもらいたいとの観点から教育が工夫されておりますが、明治四十四年生まれの日野原重明聖路加国際病院理事長は、命を大切にする教育の新しい方法論こそもっと議論されるべきとおっしゃり、命には限りがあり、限りある命をどう使うかを考える教育の必要性を説かれておられます。そして実際に命の授業をされておられますが、四十人クラスに二十本の聴診器を持っていき、二人組になってそれぞれの心臓の音を聞かせ、この音が三分とまったら死ぬのだと教えたということです。聴診器で聞く心臓の音は、子どもにとって驚きと感動であるはずですし、人形や模型を使った過激な性教育より、ずっと心に残る感動的な教育ではないでしょうか。  先日、アメリカからいらした三人のお母様にお会いすることがありました。日本の性教育の実情を調べられており、日本のある学校では、性教育をする際に、お父さんやお母さんには内緒ですよと言って教えているということまでご存じでした。なぜ日本の性教育はおかしいのですか、なぜ日本のお母さんは立ち上がらないのですか、アメリカでは性教育の内容を親にきちんと伝えます、そして教室で一緒に学びます、日本の親は子どもに関心がないのですかとの質問を受け、日本人として非常に恥ずかしい思いをしました。  性教育は教え方がとても難しいものです。東京都では、各区や市の教育委員会に対して、性教育が適切に行われるように指導されていると聞いておりますが、杉並区の性教育の実情はいかがでしょうか。何歳児にどのように教えているのでしょうか、具体的に二、三の例を挙げて教えてください。  また、避妊ということも重要な課題となっております。例えば「ラブ&ボディ」という小冊子があります。この小冊子はピルの会社との関係があり、内容が行き過ぎているとのことで文部科学省が回収し、現在は使われておりませんが、この小冊子には、ピルは有効で安全であると書かれてありました。ピルは必要と学校で教えているのでしょうか。また本当に安全なのでしょうか、疑問です。区内の学校では、ピルなどの避妊法は、何歳のときに、どう教えているのでしょうか。  ピルはホルモン剤ですから、体内に入り、尿として排せつされます。スウェーデンのイエテボリー大学では、ピルに使われる合成ホルモンなどの環境への影響を検査し、下水処理場の排水からのホルモン物質の検出結果を報告していますが、その結果、魚などの水生生物にさまざまな影響を与えることがわかっております。イギリスでも、英国政府環境機関の調査で、川の魚の生殖異常の原因の一つに、ピルに含まれている女性ホルモンが関係しているとの衝撃的な事実が明らかになっています。多摩川でもコイの七割が雌であり、雌雄同体のコイも発見され、波紋を呼びました。  レイチェル・カーソンの著書「沈黙の春」では、随分前から環境破壊、食物連鎖、土の汚染、大気汚染についての警告がされておりました。川や湖の汚染は微量でも、微生物を小魚が食べ、小魚を大魚が食べるうちに、汚染が生体濃縮され、生殖器官に影響を及ぼし、その魚を食べた鳥が次の年の春には小鳥を産まないために、「沈黙の春」という題名がつけられています。  人間も生き物ですから、生体濃縮の食物を食べることによって生殖器官に影響を及ぼし、子宮不全による不妊症や精子の減少につながっていると思われます。地球を取り巻く大気圏の中で多くの生き物が生きており、水も空気も循環しているわけですから、簡単にピルを飲んで尿として排出し、環境を汚し、結局本当に妊娠したいときにできないという悪循環を繰り返してもいいものでしょうか。少子化への影響も大いにあると思われます。また、この環境ホルモンに関しては、脳の形成異常との関係が深いとも言われています。  ピルだけではなく、環境ホルモンの中でも人への影響が明らかになっているものの一つに流産防止剤がありますが、流産防止剤を使った母親から生まれた子どもたちの中に、十数年たって、女性にも男性にも生殖器の異常などが発見されるなど、その子どもたちが思春期に達したときに初めて機能的異常が明らかになったという症例もあります。  体内の多くのホルモンは、私たちの体の機能や行動に重要な働きをしますが、この環境ホルモンと言われる内分泌撹乱化学物質は、体内のホルモンを撹乱しますので、性行動の異常や不妊、死産、胎児の障害、生殖器の異常、精子の減少、そしてキレる、暴力を振るう、精神不安定になるなど、重大な障害を生じてしまうわけです。青少年の事件が起こるたびに家庭や学校の教育問題が問われますが、環境汚染からくる脳障害なども、原因の一つであると思われてなりません。クッキングペーパーや紙コップといった身近な紙製品から、内分泌撹乱化学物質が疑われる有害物質が溶け出すおそれのあることもわかっておりますし、ごみ焼却の際の大気汚染の問題もありますので、私たち一人一人が加害者にも被害者にもなってしまう現状であり、環境汚染についてはできるだけ気をつけなければなりませんが、この環境ホルモン、内分泌撹乱化学物質についての指導は、学校ではどう指導されているでしょうか。  次に、青少年健全育成のための教育環境について質問いたします。  国では、青少年健全育成基本法を制定しようとの動きがあり、青少年健全育成基本法制定を定める意見書を採択している地方議会も多くあります。テレビ、ビデオ、コミックなどのマスメディアが子どもたちの人格形成に大きく影響を及ぼしている現在、青少年健全育成基本法は早急に制定してほしいところです。子どもの自己決定権を尊重すべきであり、法律で定めるべきではないとの声もありますが、この自己決定権を尊重すべきとの教育方法は、既にアメリカでは失敗しており、その反省のもとに、家族のきずなを強める運動が行われております。日本でも家族のきずなを強める運動が必要ではないでしょうか。  青少年の健全な育成を阻害するものとして有害図書が挙げられますが、外国では、青少年に有害な雑誌などにカバーをかけて中身が見られないようにするなど、子どもたちのための規制が徹底しておりますが、日本は野放しです。以前ポルノ雑誌の自動販売機が多くあった時代に、ちょうど子育て中の私たち親が立ち上がって、雑誌の自動販売機の撤去運動を行ったことがあります。現在はさすがに自動販売機は少なくなりましたが、今でもPTAのお母様方が有害図書販売店に対して要望を行っており、棚を児童の手の届かないように工夫してあるコンビニもありますが、コミックなど性を興味本位で取り上げた内容の雑誌も多く置いてある店もあります。石川県では、青少年健全育成条例により、有害図書販売による罰則が導入されておりますが、杉並区の青少年健全育成のための有害図書販売に対する現在の取り組み方はいかがでしょうか。  また、子どもたちを取り巻く環境の中でも、食は生きるための原点です。明治時代の村井弦斎氏は「食道楽」という本に、子どもの教育には徳育よりも知育よりも体育よりも食育が先と書いておられますが、現在の子どもたちの学力低下や体力低下が懸念される今、食教育が非常に重要になってきています。  杉並区教育委員会では、十月十七日に学校栄養士会との協催で給食展示会を開催しておりますが、学校での実践の様子も知ることができ、とてもよくまとめられ、大変感心いたしました。二年に一度の展示会とのことでしたが、毎年開催するのは大変でしょうが、展示会があれば励みになりますし、各学校ごとにでもよいので、毎年開催できないものでしょうか。情報過多の時代だからこそ、自分の体をつくる食の選択能力をつけておかねばなりませんし、食さえ選ぶことのできない子では、人生の岐路に立ったとき、人生を選ぶ能力がついているとは思えません。また、体力がなければ心も強くはなりませんし、夢や希望に向かっていく気力も出てきません。  文部科学省では、食に関する問題は家庭が中心になって担うものとしながらも、子どもたちの食生活の乱れが深刻になっている現在、学校が家庭に助言や働きかけを行い、食環境の改善に努めることが必要であるとのことから、平成十七年度から、栄養のバランスのよい食事をとることを学ばせる栄養教諭資格を創設し、食育推進事業のための準備を行っています。  杉並区では、料理の体験や食事のマナー、そして適切な食品選択能力を行う食育を学校教育に導入はしているのでしょうか。現在、食育にはどう取り組んでいるのでしょうか。  以上、質問を終わります。 ○議長(伊田としゆき議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。      〔区長(山田 宏)登壇〕 ◎区長(山田宏) 松浦議員の一般質問の中で、私からは、有害図書販売についての区の取り組みについてお答えを申し上げます。  現在東京都が、条例に基づいて、不健全図書の指定、区分陳列の措置などの規制を行っております。区は、有害図書に関する区民の照会や情報提供などがあった場合には、東京都に連絡をするとともに、必要に応じて状況の把握や改善要請を行うなど、東京都と協力をしているというのが現状ですが、私も、この東京都の有害図書についての規制を行う青少年何とか図書審議会だったかな、そういうような委員をやったことがありますけれども、まあ月に一回か二カ月に一回、会を開いて、机の横に何か積まれている資料と称するそういう不健全な図書を指定するというだけの話で、火事が燃えているのに少人数でバケツで火を消すような、そういうような状況で、ほとんど役に立っていない。そういうことで、東京都は条例の改正を今視野に入れてやっているということですけれども、私たちの周りにある青少年をめぐる悪環境について、もっと地域として、大人として関心は持っていく必要がある。そのためには、区としても、やはりこういうものに対して、東京都の条例に基づき一定の緊急避難というか、そういう処置がとれるような条例になってほしいと私は願っております。余りにも今まで日本の国はこういう青少年の環境について無関心過ぎたという反省もあり、やはり今後は、表現の自由もありましょうけれども、一定の年齢までの間には、当然ながらそういうものに対しての規制強化を、また敏速な対応を果たせるようにしていくべきだというふうに考えております。  残余のご質問につきましては、関係部長よりご答弁申し上げます。 ○議長(伊田としゆき議員) 教育長。      〔教育長(納冨善朗)登壇〕 ◎教育長(納冨善朗) 教育委員会所管のご質問にご答弁申し上げます。  私からは、学校給食展示会についてのお尋ねにお答えをいたします。  展示会の実施に当たりましては、職員が日々の給食業務を行いながら準備を進めるということになりますが、その時々の状況に即したテーマを設定、企画し、周到に準備をする必要性ですとか、展示会がマンネリ化しないように配慮することなど考えますと、展示会の方はやはり二年に一度程度の実施が適当というふうに考えています。  学校単位での実施につきましては、各学校での給食試食会という方式で、資料の展示を行うなどの取り組みを現に行っておりますが、ご質問にありましたような、食育ということは、学校給食も大きな機会になるということですとか、保護者に対する学校運営の説明責任を果たすという観点から、なお一層の充実を図っていきたいというぐあいに考えています。  私から以上でございます。残る質問には、次長からお答え申し上げます。 ○議長(伊田としゆき議員) 教育委員会事務局次長。      〔教育委員会事務局次長(佐藤博継)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(佐藤博継) 私からは、松浦議員の残りのご質問にお答えいたします。  まず、性教育についてのお尋ねでございますが、学習指導要領に基づきまして、小学校四年生の保健で体の発育、発達について、中学校の保健で生殖にかかわる機能の成熟や異性の尊重、性情報への適切な対処などについて教えております。  また、避妊法に関してでございますが、これにつきましては、高等学校で学習することになっておりますが、性感染症の予防に伴う避妊具の使用につきまして、学習指導要領に基づいて、中学校でも学習しているところです。  なお、区内におきましても、東京都の指導によりまして、行き過ぎた性教育についての調査をいたしましたが、事例のような事実はございませんでした。  七生養護学校の例につきましては、いわゆる性教育そのものが担任に任せきりになっていたという指導上の原因があるというように考えてございます。  教科指導についての編成権は校長にございますので、学習指導要領に基づく学習指導を今後とも徹底してまいりたいというように考えてございます。  次に、環境ホルモンについての指導でございますが、中学校の保健で、健康と環境の相互作用について、また小学校高学年からの理科で、生物と環境とのかかわりについて指導をしてございます。  次に、学校における食育についてのお尋ねでございますが、調理実習における会食時のマナー指導ですとか、給食時に担任教諭や学校栄養職員による栄養に関する指導などを通して、望ましい食習慣を形成できる実践的態度の育成を図っているところでございます。  私からは以上でございます。 ○議長(伊田としゆき議員) 以上で日程第一を終了いたします。  本日の日程はすべて終了いたしました。  次回の会議は、明日午前十時から開きます。  本日はこれにて散会いたします。                  午後三時四十二分散会...